東映実録映画入門 ~実話を元にしたヤクザ映画~はこちらから!
第1章 東映実録映画の基礎知識
第2章 東映実録映画の題材になった事件
『実録外伝 大阪電撃作戦』のモデルになった【明友会事件】解説
第3章 おすすめ実録映画7選
実録外伝 大阪電撃作戦 【おすすめ実録映画(ヤクザ映画)7選】
第4章 実録映画の魅力的な俳優6選
著者:國谷正明
北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。「ノワール文学」、「エキゾチックアニマル」、「昆虫」などのコンテンツ作成も手掛ける。お問い合わせはこちらから
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実録映画(東映実録映画)は東映によって実話をベースに製作されたヤクザ映画のことです。
前章では筆者がおすすめの実録映画7選をご紹介いたしました。本章では圧倒的な存在感で実録映画を彩る偉大で魅力的な俳優について解説していきます。
それぞれの項では実録映画における出演作品リストを付記しておりますので、お気に入りの俳優を見つけたという方は、そこから新たな作品を発掘していくのも面白いかもしれません。
このページでは、東映実録映画で数々の主役を演じた名優・菅原文太氏の魅力についてご紹介していきます。
▼実録映画の魅力的な俳優6選!それぞれのページで詳しく紹介!
菅原文太とは
名前 | 菅原文太(すがわらぶんた) |
生年月日 | 1933年8月16日(没年2014年11月28日) |
出身地 | 宮城県仙台市 |
「仁義なき戦い(1973年公開)」シリーズと「トラック野郎(1975年公開)」シリーズの主演を務める、東映を代表するスター俳優となった。「トラック野郎」は主人公の乗るトラックのプラモデルが発売されるなど社会現象となるほどの大ヒットとなる。高倉健ととも近年は大人気マンガのONE PIECEに登場するキャラクター「赤犬(本名・サカズキ)」のモデルとしても話題になる。 |
菅原文太は1933年8月16日生まれの俳優です。
実録映画の金字塔である「仁義なき戦い」シリーズの他、「現代やくざ」「関東テキヤ一家」「まむしの兄弟」「トラック野郎」などさまざまな人気映画シリーズの主演を務めて1970年代における東映の屋台骨を担いました。
下記の出演リストを見ていただければわかるように、菅原文太は数多くの実録映画に出演しているだけでなくその大半で主演を務めています。
菅原文太出演・実録映画一覧
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公開年度 | 作品タイトル | 役名 |
1972年 | やくざと抗争 | 梅津 |
1973年 | 仁義なき戦い | 広能昌三(主演) |
1973年 | 仁義なき戦い 広島死闘篇 | 広能昌三(主演) |
1973年 | 山口組三代目 | 大長八郎 |
1973年 | 仁義なき戦い 代理戦争 | 広能昌三(主演) |
1974年 | 仁義なき戦い 頂上作戦 | 広能昌三(主演) |
1974年 | 仁義なき戦い 完結篇 | 広能昌三(主演) |
1974年 | 山口組外伝 九州進攻作戦 | 夜桜銀次(主演) |
1974年 | 実録飛車角 狼どもの仁義 | 石黒彦市(主演) |
1974年 | 安藤組外伝 人斬り舎弟 | 日向謙 |
1974年 | 新仁義なき戦い | 三好万亀夫(主演) |
1974年 | 県警対組織暴力 | 久能徳松(主演) |
1975年 | 神戸国際ギャング | 大滝健三 |
1975年 | 新仁義なき戦い 組長の首 | 黒田修次(主演) |
1976年 | 新仁義なき戦い 組長最後の日 | 野崎修一(主演) |
1976年 | バカ政ホラ政トッパ政 | バカ政(主演) |
1977年 | やくざ戦争 日本の首領 | 石見栄三 |
1977年 | 日本の仁義 | 須藤武男(主演) |
1977年 | 日本の首領 野望篇 | 天坊信助 |
1978年 | 日本の首領 完結篇 | 川西明 |
1979年 | 総長の首 | 八代順二(主演) |
1984年 | 修羅の群れ | 井沢輝一 |
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魅力
「仁義なき戦い」
菅原文太が「仁義なき戦い」五部作で演じた広能昌三(ひろのう しょうぞう)は、実在の人物をモデルにしているせいかどこか底の見えない恐ろしさを湛えており、広能の捉えどころのないキャラクター像はヤクザ映画の主人公として目新しさを感じさせるものでした。
広能昌三の人物像にはモデルとなった美能幸三氏をはじめ、美能氏への取材をした脚本家・笠原和夫氏や深作欣二監督の意向が強く反映されていることは想像に難くありません。
ただ「仁義なき戦い」を鑑賞するたびに、そのような複雑な役柄を演じ切った菅原文太の懐の深さと存在感には圧倒されます。
「仁義なき戦い」および「新・仁義なき戦い」シリーズの監督を務め、東映実録路線を牽引した映画監督。
▼深作欣二氏
▼「仁義なき戦い」の予告編
俳優としての振り幅の広さ
初めは熱い血の滾り(たぎり)を画面狭しと振りまいていた広能昌三も回を追うごとに老獪さを増していき、完結篇では次の世代にたすきを渡して極道の世界から身を引きます。
一方で、その直後に公開された「山口組外伝 九州進攻作戦」では一転して狂犬じみた破滅的なヤクザを演じています。
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その後も鬱憤を晴らすかのように「安藤組外伝 人斬り舎弟」「新仁義なき戦い」三部作で暴力的な演技を披露しましたが、続く「やくざ戦争・日本の首領」では知的な経済ヤクザを演じて俳優としての振り幅の広さを見せつけました。
菅原文太氏は「仁義なき戦い」五部作における松方弘樹のように、「日本の首領 野望篇」「日本の首領 完結篇」にもそれぞれ異なる役柄で出演しています。
特に「日本の首領 完結篇」で演じた川西組々長・川西明の重厚かつ狂気的なキャラクター像は菅原文太にぴったりとハマっており、個人的には広能昌三以上の適役であるように思います。
現在の映画界を見ていると幅広い役柄を器用にこなす役者が重宝されているように感じられますが、どのような役柄も自身のカラーに染め上げる圧倒的な存在感をもつ俳優こそ、スターと呼ぶに相応しいのではないでしょうか。
『東映実録映画入門』目次へ (全21ページ)
はじめに
第1章 東映実録映画の基礎知識
第2章 東映実録映画の題材になった事件
『実録外伝 大阪電撃作戦』のモデルになった【明友会事件】解説
第3章 おすすめ実録映画7選
実録外伝 大阪電撃作戦 【おすすめ実録映画(ヤクザ映画)7選】
第4章 実録映画の魅力的な俳優6選
著者:國谷正明
北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。「ノワール文学」、「エキゾチックアニマル」、「昆虫」などのコンテンツ作成も手掛ける。お問い合わせはこちらから
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