東映実録映画入門 ~実話を元にしたヤクザ映画~はこちらから!
第1章 東映実録映画の基礎知識
第2章 東映実録映画の題材になった事件
『実録外伝 大阪電撃作戦』のモデルになった【明友会事件】解説
第3章 おすすめ実録映画7選
実録外伝 大阪電撃作戦 【おすすめ実録映画(ヤクザ映画)7選】
第4章 実録映画の魅力的な俳優6選
著者:國谷正明
北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。「ノワール文学」、「エキゾチックアニマル」、「昆虫」などのコンテンツ作成も手掛ける。お問い合わせはこちらから
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『東映実録映画入門』目次へ (全21ページ)
ヤクザ映画「仁義なき戦い」は「東映実録映画」
みなさんは「ヤクザ映画」と聞いて、どのような作品を思い浮かべるでしょうか。
最近では、北野武監督自身が主演を演じた「アウトレイジ」三部作や、役所広司が悪徳刑事を演じる柚月裕子原作の同名小説を映画化した「孤狼の血」が話題になり、国内外で高い評価を得ました。
また、哀川翔氏や竹内力氏、小沢仁志氏らコワモテの俳優陣が活躍するVシネマから「ヤクザ映画」を想像する方も多いでしょう。
しかし、ヤクザ映画と聞いてもっとも多くの方が連想する作品は「仁義なき戦い」を置いて他にありません。
そしてこの「仁義なき戦い」こそ、このWebonのテーマである「東映実録映画」の草分けとなった作品なのです。
東映実録映画とは
東映実録映画とは、その名のとおり「実話をベースに東映(映画の製作と配給、興行を手がける会社)によって製作されたヤクザ映画」を指します。
広島におけるヤクザ同士の抗争を題材にとった「仁義なき戦い」がヒットして以降、さまざまな実録映画が公開されました。
今の時代では裏社会の住人との付き合いを取り沙汰された芸能人が非難され、ときには引退を迫られることさえあります。
東映実録映画が隆盛を誇った70年代には良くも悪くもヤクザが芸能界に深く食い込んでおり、そういった環境がヤクザの生き様を生々しく描いた実録映画に圧倒的なリアリティをもたらしたことは想像に難くありません。
事件の関係者に取材を敢行することはもちろん、中には題材とする抗争の中心人物のバックアップの基で製作された作品さえあるほどです。
東映実録映画にしか描けない「リアルなヤクザの実態」
筆者を含めて、ヤクザ映画を娯楽として楽しむ視聴者のほとんどは、ヤクザの実態に関する知識に乏しい方でしょう。
ヤクザライターや元ヤクザの著作を読みあさったとしても、それらの知識は付け焼刃にすぎず、実際に踏み込んだ付き合いを体験しなければ、実録映画で描かれている彼らの姿が本質に迫っているかどうかを判断することができません。
実録映画にまつわる種々のエピソードや逸話こそ、ヤクザの実態を知らない視聴者にリアリティをもってその本質を知らしめる最良の手段であるといえます。
故人様の背中に大きな刺青が入っていたり、参列者の方数名の小指が欠けていたこと以外は至って普通で、むしろ一般の方と比べて輪をかけて礼儀正しい方が多い印象でした。
今でもほんとうに指を詰めることがあるんだな、と妙に感心した記憶があります。
暴排条例が施行された現代では暴力団の活動が制限され、映画の題材となるような大きな事件が起こることは少なくなりました。
事件の当事者たちの生々しい証言を反映した脚本と、現役ヤクザの生き様を目の当たりにしてきた俳優陣の演技が渾然一体となった実録映画の並々ならぬ熱量は、今の時代には再現することの難しいロスト・テクノロジー(失われた技術)であるといっても過言ではありません。
このWebonでは、東映実録映画の歴史や、作品をより深く楽しむための予備知識、おすすめの作品などをご紹介していきます。
皆さまの実録映画に興味をもつきっかけになれば幸いです。
『東映実録映画入門』目次へ (全21ページ)
はじめに
第1章 東映実録映画の基礎知識
第2章 東映実録映画の題材になった事件
『実録外伝 大阪電撃作戦』のモデルになった【明友会事件】解説
第3章 おすすめ実録映画7選
実録外伝 大阪電撃作戦 【おすすめ実録映画(ヤクザ映画)7選】
第4章 実録映画の魅力的な俳優6選
著者:國谷正明
北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。「ノワール文学」、「エキゾチックアニマル」、「昆虫」などのコンテンツ作成も手掛ける。お問い合わせはこちらから
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