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第1章 現代の麻雀
第2章 ルールの超基本
第3章 麻雀の楽しみ方
第4章 麻雀的思考力
著者:平澤元気
1990年6月15日生まれ。CSモンド「ZOO麻雀道学生選手権」、オンライン麻雀天鳳公式ニコ生「天鳳解体新書」などの解説で好評を博す。
著書に「絶対にラスを引かない麻雀 ~ラス回避35の技術~ (マイナビ麻雀BOOKS)」「デジタルに読む麻雀 (マイナビ麻雀BOOKS)」等多数。お問い合わせはこちらから
twitter(平澤)twitter:@hira_ajmja
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引き続き麻雀のルールについてざっくりとした説明をしながら、麻雀がどんなゲームなのかお伝えしていければと思います。
役とは
初心者が麻雀を覚えるときに最初につまづくのが「役」を覚えることです。
前のページでは、麻雀は4つのメンツを作るゲームだ、という話をしました。
厳密には4つのメンツの他に、同じ牌が2枚揃った「雀頭(じゃんとう)」というものを1つ作るとアガリとなって点数が貰えます。
つまり例えば「 」という4つのメンツの他に同じ牌が2つ(例えば)が揃った
(これは例です)
という計14枚(3枚のメンツ×4つ + 2枚の雀頭×1つ)が揃うと「アガリ」となるのです。
このときの4つのメンツと1つの雀頭の組み合わせによって「役」がつきます。
(例) ←14枚の組み合わせで「役」が決まる。
役がたくさんつけばそれだけ高得点となる他、最低でも1つの役が無ければ4メンツ1雀頭を作ってもアガリにならないというルールがあるので、麻雀をする上で「役」というものは絶対に覚えなければならないものです。
・メンツとはとかのように、同じマークの牌で数字が3つ連続しているセットか、もしくはのような全く同じ牌3枚のセットのこと。
・4メンツ1雀頭を作っても「役」がないとあがれない。
・役とは、得点が増えたりする特定のパターンのこと。
しかし麻雀の役は何十個もあり、それを全て覚えるのは非常に大変。
ということで今回は、初心者がまず覚えるべき
「簡単に作れて便利な役」
と、逆に麻雀プロの私でさえ和了(あが)ったことのない(揃った事のない)
「実戦ではほぼお目にかかれないので覚えてなくても全く問題ないレア役」
をご紹介したいと思います。
便利な役その1「リーチ」
リーチ、という言葉はみなさん耳にしたことがあると思います。
ビンゴゲームで残り1つでビンゴ完成、というときに「リーチ」と言いますよね。
これ、英語のreachから来てるかと思いきや実はそうではなく、麻雀の役が語源です。
ビンゴゲームのリーチと同じように、
「あと1枚で和了れる(4メンツ1雀頭があと1枚で完成する)」というときに「リーチ」と宣言することで成立する
という簡単な役です。
「リーチを宣言した次の番からは手牌を入れ替えることができない」などいくつかの条件はありますが、ただ「リーチ」と言えば完成するお手軽な役で非常に強力です。
私はこのリーチが麻雀において最も強い役だと思っています。
たくさんリーチと言うために、効率的に4メンツ1雀頭を作れるようパズル能力を養うのが麻雀で勝つためのコツですね。
<条件1>
あと1枚で4メンツ1雀頭が成立する!という時に「リーチ」と宣言する。
(例) ←これにあと1枚が来れば4メンツ1雀頭が達成…「リーチ」と宣言する。
<条件2>
「リーチ」宣言と共に千点をテーブルに置く(上がった人がもらえる)。
<条件3>
「リーチ」宣言以降は手牌を変更する事はできず引いた牌が欲しい牌でなければ捨てるのみに行動が制限されてしまう
(例) これにあと1枚が来れば4メンツ1雀頭が達成・・・以外(例えば)を引いたとしてもすぐに捨てるしかない。つまりこの場合はリーチをかけたら以外では和了る事ができなくなる。
など
便利な役その2 「タンヤオ」
リーチと同じくらいよく使う便利役がタンヤオです。
タンヤオは漢字で書くと断幺九と書き、正式には「タンヤオチュー」と読みます。タンヤオチューの略が「タンヤオ」です。
ヤオチューというのは数字の1と9、それから字牌のことでこれらを断つ(タン)、すなわち使わずに数字の2〜8だけで4メンツ1雀頭作るとタンヤオとなります。
こんな風に数字の1も9も字牌も含まずに4メンツ1雀頭があればタンヤオという役になります。
これは少し難しいテクニックの話になりますが、例えば数字の1が手牌にあったとして、メンツにするためには2と3(もしくはもう1を2枚)引かなければなりません。
一方で5が手牌にあったら、3と4を引いてもメンツになりますし、6と7でも、4と6でもメンツになります。
例)からメンツを作るにはが必要。からメンツを作るには・・でもメンツになる(が来たらになる)。つまりメンツを作れる可能性が高いは残りは捨てられやすい。
つまり真ん中の牌のほうがメンツを作りやすい、という性質があるんですね。
それに従うと自然と手牌は2〜8の牌が増えていくので、タンヤオは4メンツ1雀頭狙っていくと非常にできやすい役、というわけです。
便利な役その3 「ホンイツ」
ホンイツというのは漢字で書くと「混一色」。
「一色」とある通りマンズ(例)かピンズ(例)かソーズ(例)どれか1つの色(マーク)だけで4メンツ1雀頭を作る役です。
「混」というのは「字牌は混ざっていても良いよ」という意味で字牌と1つの色だけで作る役になります。(字牌)
字牌すらない純粋な一色だけの手牌は「清一色(チンイツ)」というさらに難しい役になります。
例 ホンイツ(混一色)
例 チンイツ(清一色)
麻雀の役にはそれぞれ点数が決められていて、基本的には作るのが難しい役ほど高得点になっています。
ただ、ホンイツはリーチやタンヤオに比べて3倍もの点数になるのですが、そのわりに簡単に作れるため初心者には強力な必殺技となります。
他にも強力な役はいくつかありますが、まずはこの3つの役(リーチ・タンヤオ・ホンイツ)を狙って作れるようになると、初心者脱出は目前と言えるでしょう。
役満
次に滅多にお目にかかれないレア役をご紹介します。
麻雀における最高得点の役を「役満(やくまん)」と言います。
関係ありませんが、漫画家・コメンテーターとしてテレビでご活躍されている「やくみつる」さんの芸名はこの役満が由来だそうです。
そして今回ご紹介するのはその役満の中でも特に完成するのが難しい役で、麻雀プロの私でも和了ったことがない役たちです!
滅多にできないので覚える必要はほぼありませんが、もしもできたらぜひ麻雀を知っているお友達に自慢しましょう!
超レア役1 天和(てんほー)/地和(ちーほー)
麻雀は初めに13枚の手牌が配られ、そこから1枚引いて1枚捨ててを繰り返すゲームですが、その「最初の13枚」+「初めて引いた1枚」で4メンツ1雀頭が完成しているという奇跡がこの天和(てんほー)/地和(ちーほー)です。
麻雀は1人の親と3人の子に分かれていて、親は子よりも和了った時の得点が増えるのですが、親が最初の14枚でアガっていると天和、子だと地和となります。
確率的に天和(てんほー)/地和(ちーほー)はだいたい33万分の1、つまり33万回最初の手牌をもらって1回できる役ということです。
天文学的な数字ですよね。
実は私、昨年の大晦日に天和はアガったんですよ。
麻雀を初めてちょうど10年目の出来事でした。しかし地和はいまだにないのでいつかアガりたいものですね。
超レア役2 九蓮宝燈(ちゅうれんぽうとう)
同じマークの1112345678999という形にもう1枚どれかを追加した形で完成するチンイツのパワーアップ番です。
←この状態なら、マンズのどの牌が来てもアガれる
これはパズルのようで非常に面白いんですが、上の形に1〜9どれを1枚加えても4メンツ1雀頭ができるんですよ。
例えば2を加えると11122345678999となるので111、22(雀頭)、345、678、999と分けられますし、
4を引けば111、234、456、789、99(雀頭)となります。なんとも美しいと思いませんか?
これは珍しすぎて「アガったら死ぬ」という迷信があるほどのレア役です。
ちなみに私は対戦相手にこれをアガられたことが3回ありますがみんなピンピンしています。
いかがでしたでしょうか。
麻雀打ちの中には、作りやすい役だけを狙ってひたすら効率的に役を作って行くリアリスト雀士もいれば、レア役を追い続けるロマンチスト雀士もいます。
打ち手の性格が手牌に反映されるのも麻雀の面白いところです。
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第1章 現代の麻雀
第2章 ルールの超基本
第3章 麻雀の楽しみ方
第4章 麻雀的思考力
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