人生に役立つ麻雀的思考力① ~迷った時の考え方を養う~

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近年、インターネットの登場により麻雀の新たなブームが到来し麻雀を楽しみやすい環境が整ってきています。麻雀プロの筆者が、近年の麻雀ブームを解説すると共に麻雀の魅力をお伝えします。きっと麻雀を打ちたくなることでしょう!
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著者:平澤元気

1990年6月15日生まれ。CSモンド「ZOO麻雀道学生選手権」、オンライン麻雀天鳳公式ニコ生「天鳳解体新書」などの解説で好評を博す。
著書に「絶対にラスを引かない麻雀 ~ラス回避35の技術~ (マイナビ麻雀BOOKS)」「デジタルに読む麻雀 (マイナビ麻雀BOOKS)」等多数。お問い合わせはこちらから
twitter(平澤)twitter:@hira_ajmja

 

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今回から少しこれまでと趣向を変えて、麻雀によって養われる能力をどう人生や日常生活に活かすか、というお話をして行きたいと思います。

 

人生で役に立つ麻雀的思考力

 

私が麻雀を覚えたのは18歳の夏でした。

それから専業の麻雀プロとなるまでの間、大学を卒業し就職活動をして、普通にサラリーマンとして働いて、という生活の中で、麻雀で培った能力や思考が役に立ったことがたくさんありました。

もちろん人生観に関わる部分の感じ方は人それぞれですが、私が

「これは生きていく上で役に立ったな」

という麻雀の考え方・思考法をご紹介していきたいと思います。

 

麻雀は知的ゲームです。

考えれば答えが出るはずのゲームで、その答えを追求するためには論理的思考力が不可欠となります。

「論理的思考力」。大学のカリキュラムや就職活動なんかでよく目にする言葉ですよね。

 

ではこの論理的思考とはどういう思考のことでしょうか。私は「定義と比較」をしっかりすることで、物事に対する合理的な答えを導けること、だと思っています。

 

 

「考えている」のではなく「迷っている」だけの状態から脱出する方法

 

麻雀の初心者さんはどちらの牌を切っていいかわからず悩むことがよくあると思います。

そのときに「考えている」のであれば良いのですが単に「迷っている」だけ、という人をよく見ます。

 

「こっちの『牌A』を切れば簡単にアガれそうだけど点数が低くなり、『牌B』を切ると点数は高くなるけどアガるのは難しそう、うーんどっちを切ろうかな。」

 

このAとB、両方の選択にメリットとデメリットがあるためそれらを言葉で並べるだけでは答えが出ません。

どちらの選択が良いか、どうやって答えを出すのか。

 

ここで出てくるのが「定義と比較」です。

 

 

迷った時の麻雀的判断方法「定義と比較」

 

まず簡単に「どちらが良いか」と言っていますがこの「良い」というのはどういうことでしょうか。

これが定義をしっかりする ということです。

 

麻雀はアガることで点数が増え、この点数をたくさん増やした人が勝つゲームです。

 

したがって「良い選択」というのは

「効率的に点数を増やすことができる選択である」

と定義できます。

 

次に「比較」です。

牌Aと牌Bのどちらが「効率的に点数を増やすことができる」かを比較する。

 

そのためには期待値を求めます。

すなわち「アガれる確率×アガったときにもらえる点数」を計算してより良い数値の方を選ぶわけです。

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もちろん初心者の方は瞬時にこんな計算できるわけがありませんし、我々プロもその場で計算しているのではなく、あらかじめよく出る問題については勉強して覚えておくというのが実情です。

 

しかしこのような「答えを出す方法」を知っているというのは大事なことです。

 

確率とそのリターンから期待値を計算するというのは「考える」行為ですが、

Aを切ってその裏目を引いてきたらどうしよう・・・」

という思考は悩んでいるだけ、と言えます。

 

麻雀は基本的に次に何を引いてくるかわかりません。

なのでどんな選択でもあっても、どんな上級者であっても裏目を引くことはあります。

わかる範囲のことは精一杯考え、考えてもわからないことはスパッと割り切って考えない、これがいわゆる「判断力」「決断力」と呼ばれるものではないかと思います。

 

判断力がない人は、どんな情報があって、それをどう比較すれば答えが出るのか、という論理的思考が未熟であると言えるのではないでしょうか。

 

「定義と比較」の実例

 

少し私の話をさせてください。

 

私は麻雀プロになると決めた時、東京大学の大学院に在籍していました。

大学時代、「麻雀」と「科学研究」に興味があり、そのどちらで食べていくか決めかねていたため、どちらをするにしても最高の環境でどこまでやれるか試してみようと考えての選択でした。

 

実際に研究をしてみると論文を読んで知識を増やすのは好きでしたが「一つの結果を出すのに何年もかかる研究職は自分の性分に合わない」と判断し、大学院を辞めて麻雀プロになりました。

 

東京大学大学院という一般的にネームバリューのある組織を中退するという選択は「勿体無い」「人生において損だ」と言う人が周りには多くいましたが、自分にとってこれは論理的に考えて明らかに得な選択でした。

 

まずこの場合の損得の定義は「その先の人生でいかに幸せになれるか」ということだと思います。

 

一般的にネームバリューのある学校を卒業することは就職、ひいてはその後の生涯収入等の面でメリットのあることであると考えられます。

しかし私は進学時点で将来の職業は「研究職」か「麻雀関係」と決めており、その気持ちにブレはありませんでした。

「研究職を目指さない」となった時点で、上記のような大学院を卒業するメリットは私には関係なくなったのです。

であれば、学費や時間的拘束を一刻も早く取り去り、麻雀の研鑽に割けるリソースを増やすこと、それによって麻雀で食べていける可能性を最大まであげることが「得」であると判断しました。この選択は今も一切後悔していません。

 

ちなみにすぐに麻雀で食べていけるわけではないためそのあとは一般の企業に就職しましたが、これも最終的な麻雀プロでの活動を考え、残業の少なさや休みの多さを第一優先としました。

目的が明確であったため就職活動はすぐに終わりました。

 

もちろんこの選択にもデメリットはあります。

例えば、その時点で私は結婚願望が全くありませんでしたが、将来もし結婚をしたいと考えた時、安定した職業についていた方が円満な家庭を築きやすいでしょう。

けれど将来の自分がどう考えるかは、その時点では「わからない」ことで、それを考慮するのは「悩んでいるだけで考えていない」ことだと私は感じました。

 

「定義と比較」は役に立つ

 

私自身少し特異な道を歩んでいるため、極端な話になってしまいました。

これを誰かに押し付けようとは思っていませんが、「定義と比較」をしっかりすること、「考えてもわからないことで悩まない」ことは何をする上でも役に立つ論理的思考だと思っています。

 

みなさんが何かの選択をする際に、ほんの少しでも思考のヒントになれば幸いです。

 

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