昆虫採集体験レポート① 【1日目 公園】

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身近な昆虫の魅力を知り、子供の頃のように昆虫を見つけることに喜びを感じられるようになれば、毎日の生活にささやかな幸せが増えることでしょう。

國谷正明氏による『身近な昆虫の観察入門』はこちらから

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。「ノワール文学」「エキゾチックアニマル」「東映実録映画」などのコンテンツ作成も手掛ける。お問い合わせはこちらから
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この章(第4章)では4ページにわたって、筆者が実際に昆虫採集をおこなった様子を写真の数々と共にレポートしていきます。

子どもの時のように必死で虫を探すというよりも、散歩がてら景色を楽しみつつ気ままに昆虫採集をしていますので、そのつもりでのんびりとご覧になっていただければ幸いです。

 

▼森の音

 

昆虫採集スタート!

 

まず訪れたのは県内の某公園。

この日は最高気温が35℃に達する猛暑日だったので家でおとなしく過ごしたかったのですが、用事のついでに立ち寄ってみることに。

 

 

 

 

 

 

水の流れる涼しげな音色にテンションが上がり、暑さを忘れて虫採り開始!

 

 

 

 

 

 

 

 

すると早速、草むらに生き物の気配が。

 

自慢ではありませんが、外出しているときには常に生き物の気配に目を光らせているので、よほど警戒心の強い生き物でなければ筆者のセンサーから逃れることはできません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

姿を現したのはニホンアカガエル

近縁(きんえん:近い種)のヤマアカガエルと見分けることが難しいですが、背側線を見る限りではニホンアカガエルのような……。

 

 

アカガエルは正直それほど好きなカエルではないので、同定(=種を判別すること)にもあまり自信がありません。

でもよく見るとやっぱり可愛いなあ。

 

【コラム】昆虫採集の時には昆虫以外の動植物にも目を向けてみよう!
昆虫採集は昆虫を捕まえることそれ自体よりも自然と触れ合うことに大きな魅力があります。そのため、動物や植物、風景など、昆虫採集の過程で目にしたものはすべてが観察の対象となり得ます。

昆虫採集だからといって「昆虫」という分類にとらわれず、その過程で出会った各々の好きな生き物を採取・観察することで昆虫採集はより充実したものになるといえます。

 

 

 

 

 

 

 

のんびり散策していると、花のつぼみにぶら下がっているセミの抜け殻を発見。
なにもそんな不安定なところで羽化(うか:さなぎから成虫になる事)しなくても……。

 

夏の匂いを楽しんでいるとき、自ら虫採り網に飛びこんできたうっかり屋さんがいました。

 

 

 

 

 

おそらく若いナツアカネでしょう。成熟すると、燃えるような真っ赤な体色に変化します。

アキアカネとよく似ていますが、胸の模様で見分けることができます。

 

▼ア「アキアカネ」「ナツアカネ」の見分け方

アキアカネ
名称
ナツアカネ
</By Alpsdake投稿者自身による作品File:アキアカネ メス Sympetrum frequens female s3.JPG, CC 表示-継承 3.0, Linktd>
写真
By Alpsdake投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link

胸部の黒い三本線の真ん中の先端が尖っている。
見分けるポイント

胸部の黒い三本線の真ん中の先端が角ばっている。
アキアカネとナツアカネについては第1章で解説!(現在は第4章) アキアカネとナツアカネについては第1章で解説!(現在は第4章)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小川沿いを歩いていると、すこし先で何者かが川の中に飛びこむ音が。

 

 

 

ニホンアカガエルにしては大きかったような……持参していたタモ網で捕獲を試みます。

 

 

 

 

 

 

やっぱりな!

 

その正体はトウキョウダルマガエルでした。トノサマガエルとよく似ていますが、生息域が異なるので判別は容易です。ここは関東なので十中八九ダルマガエルでしょう。

こちらは個人的に好きなカエルなので持ち帰って飼育したいところですが、この暑さでの輸送は大きな危険を伴うため断念。

 

また会いにきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木陰の多い一帯にさしかかると、ひらひらと舞う黒い影が……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前の項でご紹介しましたハグロトンボです。全身が黒いのでおそらく雌(メス)の個体でしょう。

かなりの数が群生しているので、このあたりで繁殖しているに違いありません。

やっぱり格好良い!

 

ハグロトンボの解説は第1章にて(現在は第4章) ハグロトンボの解説は第1章にて(現在は第4章)

 

 

 

 

 

 

 

名称 ショウリュウバッタ
大きさ 体長 40~80mm
出現時期 6月~12月
分布 本州以南
いる場所 林緑・草地

 

草むらに潜んでいたショウリョウバッタ。定番ですね。

余談ですが、筆者はオスの成虫が飛ぶときに立てる「キリキリキリ……」という音が好きでたまりません。人間とって心地の良い周波数なのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

同じく草むらにて。

ピンボケ気味で申し訳ありませんが、葉の上にとまった蜂を狙う蜘蛛の姿が。

どちらも詳しい種類まではわかりませんが、ハバチとコガネグモの類ではないかと思います。

 

ハバチはコガネグモに狙われていることを知ってか知らずか、次の瞬間にはどこかへと飛び去っていきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

昼間でも日が差さないじめじめした一帯。ぼろぼろのコンクリートが陰気な虫たちの気配を感じさせます。

 

 

 

 

 

 

コンクリート片をどかしてみると――

 

 

 

 

 

 

 

名称 オオヒラタシデムシ
大きさ 体長 18~32mm
出現時期 4月~10月
分布 北海道・本州・四国・九州
いる場所 山林

 

 

――いました。

オオヒラタシデムシは生き物の死骸を食べる地表の掃除屋です。

 

ゴキブリとゴミムシの中間のような成虫もなかなかに薄気味悪いですが、幼虫はさらにグロテスクです。興味がある方は是非検索してみてください。

 

 

しかし、ここでハプニング。

 

 

 

夏の暑さにやられて気分が悪くなってきました……。

久しぶりの虫採りにテンションが上がって喉の渇きを忘れていたことが原因だと思います。

熱中症になっては危ないので急いで撤退します。

 

 

 

 

 

 

 

 

名称 クルマバッタモドキ
大きさ 体長 32~65mm
出現時期 7月~11月
分布 本州~九州
いる場所 草地・土手

 

 

帰り際に見つけた褐色型のクルマバッタモドキ

 

トノサマバッタやクルマバッタとよく似ていますが、翅(はね)の模様と背中の盛り上がりで判別することができます。

 

▼トノサマバッタ(クルマバッタとクルマバッタモドキには模様がある)

▼クルマバッタ

 

翅に白い模様があり、背中が盛り上がっていないので、クルマバッタモドキとみて間違いないでしょう。

 

▼クルマバッタモドキ


By KENPEI – KENPEI’s photo, CC 表示-継承 3.0, Link 

 

 

昆虫採集1日目はこれにて終了です。

炎天下での虫採りはデスクワーク続きのひ弱な体には酷だったようで、公園の1/4ほどをまわったところで無念の強制終了となってしまいました。

また日を改めて再挑戦です!

 

次のページでは、山中の遊歩道を訪れて昆虫採集を行います。

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