風祭健氏によるスノーボード初心者『道具の選び方』入門はこちらから
第1章 主要な道具の基礎知識
第2章 身に着ける道具の基礎知識
第3章 道具選びのコツ
スノーボード初心者のビンディング(バインディング)選び方とおすすめ
第4章 道具の購入方法
第5章 道具のマニアックな世界
著者:風祭健
北海道出身、北海道在住のアラサーのスノーボーダーです。小学生の頃に地元のスキー場で、格好良く滑るスノーボーダーに憧れてスノーボードを始め、かれこれスノーボーダー歴は約20年になります。学校を卒業してから一度は会社員になるも、週末だけのサンデーボーダーでは満足できなくなり転職。JSBAスノーボードC級インストラクターの資格を取得。それ以後、冬に仕事のない農家や土木関係の仕事をし、冬はインストラクターとして山に籠もる生活を送っています。夏場はスケートボードとサーフィンも始めてしまい、趣味も人生も横滑りばかりです。お問い合わせはこちらから
目次
ユニークな機能のビンディングがある
スノーボードのビンディングは、板やブーツの硬さや性能に合わせて選ぶことが大切です。
ただ、どのメーカーも様々な硬さのモデルを発売しているので、板とブーツに合わせた選択だけではなかなか一つのビンディングを選ぶのは大変です。
ビンディングには、各メーカー独特の機能を持たせているので、その独自の機能もビンディング選びの参考にすると良いでしょう。
このページでは、ユニークな機能を持ったビンディングについて紹介します。
気になる機能があれば、その機能が採用されたモデルを選んでみるなどして参考にしてください。
1 SALOMON(サロモン)「SHADOW FIT(シャドウフィット)」
SALOMONの「SHADOW FIT」というテクノロジーが使われたビンディングは、ヒールカップに柔らかいフレキシブルな素材が使われ、握ると曲がるほど柔軟な作りになっています。
▼ヒールカップとは下記画像で言うと、かかとを覆う黒いバンドのようなものを指す
ヒールカップが柔軟な作りになっていることにより、ヒールカップがブーツの形状に合わせるように曲がるので、よりブーツとビンディングの密着度が上がり、高いフィット感と無駄のないパワー伝達ができる優れた性能を持っています。
また、可動域も広がりますので、従来のビンディングではできなかった様な柔軟な動きも可能になり、独特のスタイルを出した滑りも可能となりました。
柔らかいということは、「その分反応やサポート力が悪いのでは?」という印象も受けますが、アグレッシブな(反応やサポート力が必要とされる滑りをする)プロスノーボーダーからの評価もとても高いのでその心配もありません。
SALOMONの「SHADOW FIT」搭載モデルはヒールカップ以外にも様々な最新テクノロジーが使われているので非常に優れたビンディングです。
公式ホームページ:https://timetoplay.salomon.jp/shadow-fit/
SALOMON(サロモン)「SHADOW FIT(シャドウフィット)」はこんな人におすすめ
SHADOW FITのビンディングは、可動域が広くて柔軟な動きがしやすいのが特徴です。
ですので、パークやグラトリなどトリック向きと言えるでしょう。
それでいて反応も良いみたいですので、オールラウンドに使いやすいです。
▼SALOMONの「SHADOW FIT」搭載モデルはこちらから
2 BENTMETAL(ベントメタル)「ドライブプレート」
BENTMETAL(ベントメタル)というメーカーはLIB TECHやGNUなどの板を作っているマーヴィン社が手がけるビンディングブランドです。
ドライブプレート(一般的なビンディングは「ベースプレート」という名称)とは、足裏のプレート(パッド)のことなのですが、BENTMETALのプレートは従来のものとは異なり、8層構造で作られた非常にこだわった優れ物となっています。
様々な素材を組み合わせて作ることにより、フィット感やクッション性、反発力などの性能を高度に発揮することに成功しています。
このドライブプレートには、硬さが違う4種類の製品があり、それぞれ別売りでの購入も可能です。これら全ては8層構造になっております。
雪質や滑りに合わせたプレートを選べば非常に優れた性能を発揮してくれるでしょう。
BENTMETAL「ドライブプレート」はこんな人におすすめ
4種類のドライブプレートを付け替えることで、あらゆる雪質や滑りのスタイルに合わせることができますので、一つのビンディングであらゆる滑りをしたい人におすすめです。
また、BENTMETALのビンディングには全てドライブプレートが採用されており、ソフトフレックスからハードフレックスまで様々なモデルが揃っているので初心者から上級者までおすすめです。
▼BENTMETAL「ドライブプレート」搭載ビンディングはこちらから
3 UNION(ユニオン)「ミニディスク」
▲写真、左がUNIONのミニディスク。右が従来のセンターディスク
ビンディング専門メーカーのUNION(ユニオン)は様々な斬新なテクノロジーを開発しています。
センターディスクを従来のものより小さくすることに成功した「ミニディスク」は、真似をするスノーボードメーカーも登場するほど優れたテクノロジーです。
このミニディスクのメリットは、固定されている部分が少なくなる(センターディスクは固定されています)ことで、より板の動きをビンディングで感じることができるようなったことと、より細かい部分での板の操作ができるようになったことです。
UNION「ミニディスク」はこんな人におすすめ
ミニディスクの良い部分は、板のフレックス(硬さ)を細かく感じることができ、繊細に板をコントロールすることができることです。
初心者にとっては、そんな細かい部分まで感じることは難しいと思いますので、あまりそのメリットを活かすことはできないかもしれません。
どちらかというと中級者以上の人が使ってことその良さがわかると思います。
▼UNION「ミニディスク」搭載ビンディング
4 FLOW(フロー)「リアエントリー」
FLOW(フロー)のビンディングは、ハイバックが後ろ側に開くようになっています。その開いた部分から足を入れ装着します
従来のビンディングのように、ラチェットでカチャカチャやる必要がなく、非常に素早く装着できるメリットがあります。
▼ラチェット:ブーツをビンディングに固定するための器具
装着にかかる時間は従来のビンディングの5分の1くらいの時間でしょうか。
ちゃんと締め付けられるのかが不安になる部分ですが、むしろフィット感の評価は高く、プロスノーボーダーやインストラクターをはじめとした、非常に多くの人から高い評価を集めています。
FLOWのビンディングは全てこの「リアエントリー」という機能が採用されています。
FLOW「リアエントリー」はこんな人におすすめ
リアエントリーは脱着の素早さが何よりも魅力ですので、ビンディングの装着が面倒に感じている人には最適です。
すぐに滑り出したい人にはピッタリでしょう。
ただ、構造上座って装着するのが難しいので、初めてスノーボードをする方にとっては逆に装着が難しく感じてしまうかもしれません。
▼FLOW「リアエントリー」搭載のビンディングはこちらから
5 NOW Binding(ナウ バインディング)「SKATE TECH(スケートテック)」
NOW BINDINGというメーカーの「SKATE TECH」は、筆者自身も使用している非常におすすめのビンディングです。
キングピンを支点として、ビンディングがつま先側とかかと側にシーソーのように可動する仕組みになっています。
ブッシングにはクッション性があり、キングピンを支点としたテコの作用で増幅した力をピンポイントで板に伝える役割があります。
これにより体重移動がスムーズになり、より力を板に無駄なく伝えられる特性があります。
また、可動することでクッション作用もあるので、雪面の凹凸を吸収する効果もあります。
ブッシングは硬さの違う3種類が揃えられていて、別売りで購入も可能です。
板の硬さに合わせて選べば、一つのビンディングでどんな板にもベストマッチさせることができます。
▼NOW BINDING「SKATE TECH」の公式動画
NOW BINDING「SKATE TECH」はこんな人におすすめ
SKATE TECHのビンディングは、エッジグリップの強さが魅力です。カービングをメインでやる人には最適な機能となるでしょう。また、クッション性能も高いのでジャンプなどにも向いています。
ブッシングを変えることで雪質や滑りのスタイルに合わせたセッティングに調整することが可能ですので、よりレベルの高い滑りをしたい貪欲な人にもおすすめです。
▼NOW BINDING「SKATE TECH」搭載のビンディングはこちらから
6 BURTON(バートン)「EST(エスト)」
BURTONの「EST」システムは、従来のビンディングのように、足の下で板にビスで取付けるのではなく足の外側で板に取り付けをします。
それにより、足と板の間に余計なもの(ビス)が入らなくなるので、板の動きをより正確に感じることが可能となります。
ESTのビンディングは、BURTONのチャンネルシステム(2本のネジを使って板を固定するシステム)の板にしか取り付けができません。
BURTONのチャンネルシステムと合わせることで、スタンス幅とアングル角度をミリ単位で自由自在にセッティングすることがが可能となります。
▼BURTONのセッティングの様子
BURTON「EST」はこんな人におすすめ
BURTONのESTの魅力は、細かいセッティングが可能なことと、板の動きをダイレクトに感じることができる部分です。これも初心者の人にとってはあまりその良さを実感しでづらい部分ですので、中級者以上におすすめです。
また、細かいセッティングができる分、調整方法が複雑になるので、ある程度知識も必要になるでしょう。いずれにせよ初心者には扱いづらいと感じてしまうかもしれません。
▼BURTON「EST」搭載のビンディングはこちらから
はじめに
第1章 主要な道具の基礎知識
第2章 身に着ける道具の基礎知識
第3章 道具選びのコツ
スノーボード初心者のビンディング(バインディング)選び方とおすすめ
第4章 道具の購入方法
第5章 道具のマニアックな世界
著者:風祭健
北海道出身、北海道在住のアラサーのスノーボーダーです。小学生の頃に地元のスキー場で、格好良く滑るスノーボーダーに憧れてスノーボードを始め、かれこれスノーボーダー歴は約20年になります。学校を卒業してから一度は会社員になるも、週末だけのサンデーボーダーでは満足できなくなり転職。JSBAスノーボードC級インストラクターの資格を取得。それ以後、冬に仕事のない農家や土木関係の仕事をし、冬はインストラクターとして山に籠もる生活を送っています。夏場はスケートボードとサーフィンも始めてしまい、趣味も人生も横滑りばかりです。お問い合わせはこちらから