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第1章 現代の麻雀
第2章 ルールの超基本
第3章 麻雀の楽しみ方
第4章 麻雀的思考力
著者:平澤元気
1990年6月15日生まれ。CSモンド「ZOO麻雀道学生選手権」、オンライン麻雀天鳳公式ニコ生「天鳳解体新書」などの解説で好評を博す。
著書に「絶対にラスを引かない麻雀 ~ラス回避35の技術~ (マイナビ麻雀BOOKS)」「デジタルに読む麻雀 (マイナビ麻雀BOOKS)」等多数。お問い合わせはこちらから
twitter(平澤)twitter:@hira_ajmja
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初心者のうちはシンプルに考えた方が強くなれる
今回は初心者がつまづきがちなポイント、麻雀を覚える上での注意点をご紹介したいと思います。
麻雀は非常に多くの技術がある奥の深いゲームですが、それだけに初心者のうちは余計なことは覚えず、シンプルに考えたほうが強くなれますし楽しめます。
例えばあなたが野球を楽しみたい、と考えたとき、普通ならばまずキャッチボールをしたりバッティングセンターに行きますよね。
キャッチボールが満足にできないうちに変化球を投げる練習をしてもうまく行くはずがありません。
もしくは数学の勉強をしようと思ったら、まずは四則演算からはじめます。九九を覚えていない小学生に連立方程式を解かせようというのは無茶な話です。
こんな風に物事には順序というものがありますが、よく目にする麻雀漫画(アニメ)やプロの対局は、よく曲がる変化球や、微分積分のような高レベルな技の応酬です。
これらを見て麻雀を始めると、つい最初に覚えるべき技術や麻雀のゲーム性を勘違いしてしまい、その結果「10年以上麻雀をしていてもちっとも強くならない」という人もいます。
もちろん強くなることだけが麻雀をする目的ではありませんが、やはりゲームである以上は強くなればなるほど面白く感じられるものです。
できれば正しい順序でスキルを身につけていただきたいと思います。
覚えなくて良い技術1 点数計算
麻雀の点数計算、すなわち和了(あが)ったときにその手が何点かの計算は非常に複雑です。
これをいきなり覚えようというのは少し無茶な話で「麻雀って難しいしわけがわからないな」と思ってしまうきっかけになりうるので、はじめのうちは無視してください。
いくつかの役だけ覚えて、役がたくさんついたら高くなる、くらいの認識でOKです。
そういう意味でも、点数を自動で計算してくれるゲームの麻雀というのは素晴らしいですね。
ただしある程度のレベルになると、自分の手の点数を計算しながら捨てる牌を決めるというのが必須技術になります。中級者になったら是非覚えて欲しいものですが、はじめのうちは全く考えなくて構いません。
覚えなくて良い技術2 読み
麻雀と言えば「読みあいのゲーム」そんな風に思う人もいるかもしれません。
麻雀漫画やアニメだと相手の手牌を正確に読んで、待ちをピタッと言い当てる、そんなシーンもよくありますね。
麻雀は、引いた牌だけでなく誰かが捨てた牌でもアガることができます。その場合、点数は牌を捨てた人からもらうことになります。
そのため、自分の点数を減らさないないためには、相手の捨てた牌などを手がかりに、相手は「どんな役を狙っていて」「どうやってアガとうとしているか」を予想する必要があります。その予想のことを「読み」と言います。
▼下記画像で赤い丸で囲われているのが捨てられた牌。これを見て、相手がどんな役を狙っているかなどを予想する
しかし麻雀において、相手の手牌、特に「待ち(相手が欲しい牌)」というのは完璧に読むのは不可能です。
そもそも麻雀は次に何を引いてくるか全くわからないゲームですよね。
自分の手牌でさえどうなるかわからないのですから、他人の手牌を当てることなど物理的に不可能なのです。
もちろん上級者になればある程度使える読みもありますが、それは相手の待ちを言い当てたりするものではなく「こっちの牌はこっちに比べると危険だな」と言ったパーセンテージで考えるものです。
「これは100%あたりだ」などと読めることは、トッププロでもあり得ません。
ですから相手の手牌を読むのではなくまずは自分の手牌を効率的にあがりに向かわせることが重要です。
私自身は読みの技術についての戦術書を書いたことがあるくらい読みについて研究もしていますし、やはり少しでも相手の手牌を読めると楽しいものですが、労力の割に効果が薄く「初心者にはまず必要のない技術である」というのが正直なところです。
▼筆者(平澤元気)の戦術書
覚えてなく良い技術3 迷彩
「迷彩」という言葉をご存知でしょうか。
これは自分の手牌が相手に読まれないように、本来捨てたい牌と違う牌を切ったりしてフェイクの情報を出す技術です。
これも麻雀漫画なんかだと良く出てくる技術で、鮮やかに決まるといかにも「心理戦を制した」という感じでカッコよく見えます。
しかし既に述べた通り、そもそも読みが必要ないのですから、その「読みを欺く技術」というのはもっと必要ありません。
あくまでも麻雀は「確率」をベースに考える「パズルゲーム」であり、相手との読み合いや心理戦というのは上級者同士の戦いの際にほんの数パーセントだけ勝負を左右する小さな要素でしか無いのです。
覚えてなくて良い技術4 無理な手役作り
昔の麻雀の格言に「配牌(最初に配られた牌)を見たら三色を探せ」というものがあります。
三色というのは麻雀の役で、まず初めにどんな役ができるか考えて、その役ができるように手を進めなさい、という意味です。
三色の例: 。
これはかつての麻雀は高い役をバンバン作れる人が強い人、と思われていたため生まれた格言で、今でもそのように思っている人はたくさんいます。
しかし麻雀は4人のうち最初に4メンツ1雀頭ができた人だけがアガれるゲーム。役をたくさん作ることよりもスピードが重要です。
私はよくこの問題をパン食い競争に例えます。
役というのはぶら下がっているパンで、たくさん食べれば高得点になります。しかし基本は徒競走ですから先にゴールしなければいけません。パンばかり食べていて走れなくなっている人は勝てないのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
簡単に言えば麻雀というのは効率よく最速でアガリを目指すのが重要なゲームである、ということです。
もちろん、麻雀の楽しみ方は勝つことだけではありません。相手の手を読めたり、高い役を作れたら楽しいという気持ちは私ももちろんわかります。
けれど対戦型ゲームである以上、「勝てるようになる」ことが楽しくないと感じる人はいないでしょう。
それに上手に読みをしたり、役を作ったりするためにも、まずは効率的な攻撃を身につけなければなりません。
効率的に役を作っていく技術は「牌効率」と呼ばれ、ネット上にもたくさん戦術論が書かれていますので、ある程度麻雀をプレイすることに慣れてきた方はぜひ検索して見てください。
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はじめに
第1章 現代の麻雀
第2章 ルールの超基本
第3章 麻雀の楽しみ方
第4章 麻雀的思考力
著者:平澤元気
1990年6月15日生まれ。CSモンド「ZOO麻雀道学生選手権」、オンライン麻雀天鳳公式ニコ生「天鳳解体新書」などの解説で好評を博す。
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