スノーボード初心者の板の選び方とおすすめ

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スノーボードの道具の正しい知識を持てば、寒くないし、痛くないし、簡単に上達できるようになるのです。「進化の変遷」「道具の選び方」など、スノーボードの道具について一から学んでみてはいかがでしょうか。

風祭健氏によるスノーボード初心者『道具の選び方』入門はこちらから

著者:風祭健

北海道出身、北海道在住のアラサーのスノーボーダーです。小学生の頃に地元のスキー場で、格好良く滑るスノーボーダーに憧れてスノーボードを始め、かれこれスノーボーダー歴は約20年になります。学校を卒業してから一度は会社員になるも、週末だけのサンデーボーダーでは満足できなくなり転職。JSBAスノーボードC級インストラクターの資格を取得。それ以後、冬に仕事のない農家や土木関係の仕事をし、冬はインストラクターとして山に籠もる生活を送っています。夏場はスケートボードとサーフィンも始めてしまい、趣味も人生も横滑りばかりです。お問い合わせはこちらから

 

 

 

今回からは実践編と称して5ページに渡り「スノーボードの道具を実際に購入する時の選び方」について解説していきます。

このページでは「板」の選び方について解説をしています。

 

スノーボードの板は、実にたくさんの種類があり、値段もピンきりで種類によって滑りやすさが全然違います。

板選びは自分の滑りに合ったものを選ぶのが大切です。

「高級な板=良い板」というわけでありません。

いくら高級な板でも、自分に合っていない物では非常に滑りづらい「悪い板」になってしまいます。

良い板をゲットして、楽しいスノーボードをしましょう!

 

板の選び方の基礎

 

①まずは自分が何をやりたいかを明確にしよう!

板を選ぶ時はまず、自分がスノーボードでやりたいことを明確にしましょう。

「ジャンプがしたい」とか「パウダースノー(さらさらの雪)が好きだ」とか、何かしらやりたい事のイメージはあると思います。

「一本の板でジャンプもしたいしパウダースノーまでスイスイ滑りたい!」とかでも、もちろんOKです。

 

スノーボードにはどんな楽しみ方があるの?という方はこちら!(別Webon)

 

②自分に合っている板を選ぼう!

 

自分のやりたいスノーボードが想像できたら、カタログなどを参考にして、自分に向いている板を選びます。

板は「形状」や「素材」「硬さ」などで特性が変わってきます。

例えば低速でのジャンプなどをしたい人が、高速ターン向けの板を使ったら、かなり乗りづらく、楽しくないものになってしまうでしょう。

このように「自分がやりたい事」に合った板を選ぶ、というのが基本です。これだけは忘れないようにしましょう!

 

板の特性などは後述しますので、参考にしてみてください。

 

本屋さんに行けば、全てのメーカーの道具が掲載された「オールカタログ」が売られていますので、一度見てみると良いと思います。

板の特性から、幅や形などのスペックまで、メーカーからの説明が記載されていますのでとても参考になります。

また試乗したレビューが書かれているカタログもあります。

 

スノーボード専門誌『Freerun(フリーラン)』

 

最低限知っておくべき板の基礎知識

 

上記では、「スノーボードの板は自分に合った板を選んだ方が良い」とお伝えしましたが、具体的にどうすればいいかわからないと思います。

自分に合ったスノーボードの板を選ぶには

 

  • シェイプ(板を真上から見た時のアウトラインの形)
  • キャンバー形状(板を横から見た時の形)
  • 板の硬さ
  • 板の幅
  • 板の長さ

 

という5つの要素について理解しておく必要があります。

下記ではそれぞれの要素について解説していきます。これを知ることで自分に合った板を選ぶ上で非常に役に立つことでしょう。

 

1 板の「シェイプ」(板を真上からみた時のアウトラインの形状)

 

シェイプでは

「前後が同じ形状」である『ツインチップボード』

「ノーズとテール(前と後ろ)の長さと形状が違う」『ディレクショナルボード』

という2種類があります。(下図参照)

 

 

板の特性で一番違いが出る部分ですので、まずはこの二つの形状の違いを覚えましょう。

 

ツインチップボードの特徴

 

ツインチップボードは、メインスタンスもスイッチスタンス(ボードのテール(尾)を前にして滑ること)も同じような感覚で滑ることができます。

 

「メインスタンス」と「スイッチスタンス」
滑る向きで自分が得意な方のことを「メインスタンス」と言います。その逆を「スイッチスタンス」と言います。

ちなみに、右足を前にして滑ることを「グーフィースタンス」といい、左足を前にして滑ることを「レギュラースタンス」と言います。

 

ジャンプなどができるゲレンデ「パーク」を滑りたい人や、スピンなどの回転技「グラウンドトリック」をしたい人にはこの形状がおすすめです。

スピントリック(回転技)もしやすくなります。

また少ない力で板を動かすことができる取扱いやすい板ですので初心者、初級者にもおすすめです。初心者、初級者にもおすすめです。

 

ディレクショナルボードの特徴

 

ディレクショナルボードはメインスタンス(先述)に特化した性能を持っているので、メインスタンスでの滑りの安定感に優れます。

またパウダースノーも滑りやすい特徴があります。

高速ターンをしたりパウダースノーが好きな人、メインスタンスの逆向きである「スイッチスタンス」で滑らない人ならこの形状がおすすめです。

 

パウダースノーとは
新しく積もったばかりの雪でさらさらしている。転んでも痛くない等の特徴を持っており人気が高い。

<パウダースノー>

 

板の選び方「シェイプ」のまとめ

シェイプには

「前後が同じ形状」である『ツインチップボード』

「ノーズとテール(前と後ろ)の長さと形状が違う」『ディレクショナルボード』

がある。

ツインチップボードは「パーク」「グラウンドトリック」「初心者」におすすめ。

ディレクショナルボードは「高速ターン」「パウダースノー」「メインスタンスのみ」におすすめ。

 

2 板の「キャンバーの形状」(横から見た時の形状)

 

板のキャンバーの形状(板を横から見た時の形状)でも大きな違いが現れます。
それぞれの特性を説明します。

 

代表的な板!ロッカーボードとキャンバーボードの特徴

スノーボードの板の形状で最も名の知られているのが「ロッカーボード」と「キャンパーボード」です。

 

 

ロッカーボードとキャンバーボードは相反するような特性があります。

 

簡潔にまとめると

「ルーズで楽な感じが魅力のロッカーボード」

「力強さが魅力のキャンバーボード」

といった感じです。

 

少し詳しく述べていくとすればロッカーボードのメリットは

操作性の良さと、パウダースノー上での浮力の高さ

です。

キャンバーボードのメリットはロッカーボードと逆で

ターン時のグリップ力と高速性能の高さ

が魅力となっています。

 

そしてロッカーボードのデメリットは

ターン時の雪面のグリップ力(摩擦力)や、高速時の安定性にかける

事です。

キャンバーボードのデメリットは

操作性とパウダーの浮力がロッカーボードに劣る

という部分です。

 

フラットボードとハイブリッドボードの特徴

 

ロッカーボードとキャンバーの性能が違いすぎるので、もっと両者の良さを取り入れたバランス良い板が欲しい、ということで開発されたのがハイブリッドボードです。

 

ただし、ハイブリッドボードと一口に言ってもその中には「ダブルキャンバーボード」「ダブルロッカーボード」「フラットボード」など様々な種類があります。

 

 

さらにダブルキャンバーを1つとっても、キャンバーボード寄りのダブルキャンバーとか、ロッカーボード寄りのダブルキャンバーなど、ありとあらゆる形状があります。

いずれにせよこのように、ロッカーボードとキャンバーボードの中間のような性能があり、その万能な能力から最近人気の高い板です。

私からもおすすめする板です。

 

ただ、ここでは細かく説明しているとキリが無いので、まず初心者の方は「ロッカーボード」「キャンバーボード」の違いだけは抑えておきましょう。

 

パウダーボードの特徴

 

「パウダーボード」は深雪のパウダースノーの滑りやすさだけを追求した形状の板で、一般的なスノーボードの板とはかなり違う形をしています。

ノーズを太くしたロッカー形状を採用したものが多いです

スワローテールと言われるテールが分かれている形状などユニークな板も多くあります。

かなり特化した板なので、深雪でのパウダースノーをメインに考えている人以外にはおすすめしません。

しかし深雪の滑りに関しては、ずば抜けた性能があるので、本来難しい深雪パウダーでも、簡単に滑ることができるとして人気が高まってきています。

 

3 板の「硬さ」

 

硬さとは板のしなりやすさと捻れやすさのことを指します。

スノーボードは板がしなることで自由自在に滑ることができるのです。

ですので板の硬さは非常に重要なポイントになります。

 

柔らかい板が向いている人

 

柔らかい板は低速時の操作性に優れます。

つまり初心者やグラウンドトリックが好きな人など、あまりスピードを出さない人におすすめです。

また少ない力で操作できるので、非常に動きやすいです。

 

硬い板が向いている人

 

硬い板は高速時の安定性に優れます。

板が硬い事で雪面の凹凸を潰して行けて、高速のターンで強い遠心力がかかっても板が負けないので安定感が高くなります。

低速時は操作がしづらいので、とにかくスピードを出す人におすすめです。

 

板の硬さの調べ方

 

板の硬さは、板を曲げてみるとわかります。

1 板を縦に置いてノーズの先端を掴みます。

2 そして板のセンター付近を手で押してみてください。

 

 

板によって硬さが違うのが感じ取れると思います。

 

また、スノーボードの板の硬さはカタログなどでみると「FLEX(フレックス)」で表されます。フレックスは、基本的には1~10の数値で表されます。

フレックスの値は、1~3(ソフト=柔らかい)、4~6(ミディアム=中間の硬さ)、7~10(ハード=硬い)となります。

 

4 板の「幅」

 

板のつま先側とかかと側の幅のことです。

細い板は鋭いターンができて、太い板は直進安定性に優れます。

細い板が鋭いターンがしやすい理由は、板が細いとエッジと足が近くなるので、エッジに力を加えやすくなります。ターンは、いかにエッジに加重するかが大切ですので、幅が細い板の方が向いているのです。

 

また面積が広いほどパウダーの浮力は大きくなるので、太い板の方がパウダーの浮力は大きいのでパウダースノーにおすすめです。

 

5 板の「長さ」

 

板の長さは最後に考えましょう。

板の特性や形状を考えて欲しい板が決まったら、自分の身長体重に合わせた板を選びます。

靴もほしい靴が決まってからサイズを探すと思いますが、それと同じ感じです。

板の長さは顎の高さくらいが目安とされていますが、実は板の全長はあまり関係ありません。

 

板の全長よりも有効エッジの長さが重要になります。

有効エッジとは、実際に雪面に接地する部分のことを言います。

 

深雪でパウダースノーを滑る時には板の先端まで使いますが、圧雪されたゲレンデを滑る時は、板の先端までは接地しないのであまり関係ないんですね。

有効エッジの長い板は滑りの安定感が増しますが、長すぎると邪魔に感じてしまいます。

逆に有効エッジの短い板は安定感は劣りますが、操作性が高いです。

 

パウダーの浮力が高いと言われている板は、全長に対して有効エッジは長く、

パーク向けや高速ターン向けの板は、全長に対して有効エッジは短く

なっています。

 

板を何本も乗れば自分の基準となる有効エッジの長さがわかるようになるので、それを基準に選びましょう。

とりあえずは、顎の高さくらいの板を目安に考えるのも良いです。

 

困ったらメーカーや店員の説明を聞こう!

 

ここまで基礎知識を解説してきましたが初心者の方はよくわからなくなってしまう部分ももしかしたらあったかもしれません。

スノーボードの板はかなりたくさんの物がありますし、もっと細かいことを言い出してしまうとかなり難しくなってしまいます。

わからない時は、カタログに書かれているメーカーの説明文やショップ店員などに聞いて選びましょう。

「この板はオールラウンドモデルですが、ロッカーなのでパウダーも行けます。」

「パークでのビッグジャンプに最適です!」

などなど。必ず教えてくれます。

いずれにせよ、自分の滑りに合った板選びをしましょう。

自分にピッタリの板は、滑りのレベルを一つ上げてくれますよ!

 

「とりあえず滑りたい初心者」におすすめの板!

 

「まずは何をしたいかを明確にして、それに合ったボードを選ぶのがいい」と述べましたがもちろん「とりあえず滑りたい!」という方も多いと思います。

そこでここでは「とりあえず滑りたい初心者の方」におすすめの板をご紹介します!

 

そのような初心者の方は、とにかく操作のしやすい板が向いています。

具体的には、柔らかく短めツインチップロッカーボードが良いでしょう。

 

 

特にロッカーボードは「逆エッジ」という危険な転び方をしづらいのが特徴で、特におすすめです。古い板はこれの真逆のような板ばかりですので、初心者には非常に扱いづらいものになってしまいます。

 

 

ですので、私としては初心者にこそ、最近の新しい板をおすすめしています。

新品である必要はありませんが、そこそこ新しいモデルだと良いですね。

 

スノーボード大好き著者が選ぶ!初心者におすすめの板

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著者:風祭健

北海道出身、北海道在住のアラサーのスノーボーダーです。小学生の頃に地元のスキー場で、格好良く滑るスノーボーダーに憧れてスノーボードを始め、かれこれスノーボーダー歴は約20年になります。学校を卒業してから一度は会社員になるも、週末だけのサンデーボーダーでは満足できなくなり転職。JSBAスノーボードC級インストラクターの資格を取得。それ以後、冬に仕事のない農家や土木関係の仕事をし、冬はインストラクターとして山に籠もる生活を送っています。夏場はスケートボードとサーフィンも始めてしまい、趣味も人生も横滑りばかりです。お問い合わせはこちらから

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