ブラジルの家 ~種類・造り・豆知識~

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ブラジルに行ったことはありますか?ブラジルと言えばサッカー・サンバ・カーニバル…でもそれだけじゃもちろんありません!

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著者:パパガイオ

ブラジルの酸いも甘いも知り尽くしている在住歴17年の女性。日本で知り合った日系ブラジル人の主人と子供3人で、ブラジルライフを満喫中です!特にトロピカルフルーツや自由な感じがお気に入り。どんなかな?とちょっとでも気になったらぜひ覗いてみてください。面白い発見があるかもしれませんよ?

 

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ブラジルで住む家の種類

 

日本人はブラジルに着いても当分はホテル、ホステル、民宿や、「フラッチ」と呼ばれるウィークリーマンションのような形態のところに住むことが多いようです。

 

ブラジルの宿
ホテル・・・いわゆる観光客が泊るタイプの宿。一棟丸ごと宿部屋になっている事が多い。

ホステル・・・シングルルームもあるが相部屋(ドミトリー)などが多く、ホテルよりも設備などが整っておらず簡易宿泊施設とも呼ばれる。

フラッチ・・・1週間~3か月程度泊る人用の宿。ホテルのようなものだが生活する設備がホテルよりも多少整っている。フラッチによって設備や値段は異なる。

値段は基本的にはホテル>フラッチ>ホステルという順番

 

というのも、本格的な住居の賃貸契約には納税者番号(CPF)や外国人登録証明書(RNE)が必要で、これらを取得するのに日本人は1,2ヶ月はかかるからです。

 

納税者番号(CPF)

CPF番号は、ブラジルのReceita Federal(連邦税務局)が個人に対し交付する11桁の納税者番号。生涯変更されることはない。

参考URL:http://nagoia.itamaraty.gov.br/ja/rrrrrrcpfr.xml

 

他にも下宿やルームシェアという方法もあります。

実際に賃貸するときは、アパータメントか一軒家(カーザ、Casaと呼ばれる)での選択になります。

以下ではそれぞれの特徴について紹介していきますね。

 

アパート(アパータメント)

 

日本ではアパートとマンションは全くイメージが違いますが、ブラジルではマンションも「アパート(アパータメント)」に含まれます。

 

5部屋6部屋の大きなアパートもありますが、やはり1LDK(平均約35㎡)や2LDK(約50~80㎡)が多いようです。(1LDKや2LDKの基本的な部屋の大きさは日本とあまり変わりません)

 

 

アパートのメリット

 

アパート暮らしのメリットはより安全なこと、設備が充実していること、自分が管理すべきエリアが少ないことです。

 

門番が常駐し、訪問者はきちんと身分を証明しないと建物に入れないのが普通です。

また、共同部分(みんなで使える部分)には

プール

バーベキュースペース

パーティールーム

ジム

キッズプレイルーム

公園

などがあります。

 

その代わり、こういった共用スペースの清掃・管理のためにも共益費は日本の基準よりもずっと高く、家賃の20~40%ほどします。(日本は10~20%程度)

 

サービスルーム

 

比較的大きなアパートには、住み込みのお手伝いさん専用の小部屋がついていることもあります。

お手伝いさん用の小部屋はサービスルーム(洗濯やアイロンをするスペース)とキッチンの近くにあることが多いのですが、そちらを「裏口」として玄関とは別にドアを設けることも多くあります。

それに合わせてエレベーターもお手伝いさん用と来客用に分かれている事があります。

 

 

裏口があるアパートではゴミを出したり買い物を台所に運んだりするのに便利なのでおすすめです。

 

洗濯物

 

また、洗濯物を外に干すと景観を乱すと考えるブラジルでは洗濯物はアパート内に干すことが多いため、サービスルームは重要視されます。

ブラジルはタオルはもちろんジーンズやパンツにまでアイロンをかけちゃう文化ですから、お手伝いさんが必要なのもうなずけますよね。

 

<編集部コラム>ブラジルは洗濯物の外干し禁止?

ブラジルでは景観を損ねない事や防犯などの為により洗濯物の外干しを禁止している場所があります。ただ、市内で決まっている場合やそのアパートだけ禁止になっている場合があるので確認が必要だとか。

ちなみに日本ではあまり考えられない洗濯物の「外干し禁止令」ですが海外ではよくあります。その為部屋にベランダが無い・ちゃんと開けられる窓が無い(ホテルの窓のような感じ)場合も海外のアパートではよくある事。

ですが逆に、多くの家に乾燥機があるので問題なく洗濯乾燥ができるのです。

 

キッチネッチ

 

また、アパートには「キッチネッチ」(Quitinete, kitnet, kitnete, kitinete) と呼ばれる小さな部屋もあります。

日本でいうワンルームマンションと同じで、部屋の区切りがなく居間・台所・サービスルームが一緒になっており、そこにトイレとシャワーがついている形態です。

 

 

地価の高い都会で日中ほとんど家にいない一人暮らしの人にはちょうどいいのですが、大きさは25~35㎡と小さく、国土の広いブラジルまで来てキッチネッチ暮らしはもったいないかもしれません。

 

一軒家(カーザ)

 

一軒家のメリット

 

一方、一軒家に住むメリットはより広く、回りに気を配らず自由に暮らせる点ですね。

都市部ではアパートが多いですが少し郊外に目を向けると一軒家もたくさん貸し出されています。

 

コンドミニアム

 

一軒家は日本のように住宅地にもありますが、コンドミニアム(分譲の集合住宅)にもあります。(「分譲」とは分けて売られる事です)

「コンドミニアム」というと、ひとつの建物の一室一室を分譲しているマンションのようなものをイメージする人も多いと思いますが、ブラジルでは一軒一軒を分譲している一画地(共同住宅地)のことを指す方が多いです。

 

▼日本で言う「コンドミニアム」のイメージ(下図のような建物の1部屋を分譲)

 

▼ブラジルの「コンドミニアム」のイメージ(下図のように塀で囲まれた中の一軒家をそれぞれ分譲)

 

コンドミニアムは塀で囲まれ、入り口はアパートのように門番が常駐して管理しており、住民の郵便物の配達やゴミ収集まで管理します。

場所によってはコンドミニアム内に公園やパン屋などのショップまで併設しているところもあります。

住宅地の家(コンドミニアムの外の家)に比べてずっと安全ですが、コンドミニアム代(共益費)がかかります。

 

ブラジルのお家は防犯のために窓にも鉄格子をつけるところが多く、塀の上には有刺鉄線、監視カメラも特別ではありません。

 

ブラジルの家の造り

 

日本の家は木造ですが、ブラジルの家はレンガ造りです。

 

レンガ造り

日本ではあまり見ないレンガ造りだが海外(特に北欧など)ではよく見られる。メンテナンスの少なさ・耐熱性と蓄熱性に優れる(夏は涼しく冬は暖かい)などのメリットがある。

▼レンガ造りのイメージ

 

と言っても土台と家の柱になる部分には細い鉄骨をコンクリートで固めた鉄筋コンクリートが使われています。

 

 

レンガの表面はセメントと砂と水を混ぜたもので平らにし、水分が浸透しないためのコーティング後インクを塗ることできれいな壁にします。

 

インクの代わりにタイルを張り付けることもありますが、あまりお金に余裕がない低所得層の家はレンガがむき出しになっていることも多くあります。

 

屋根も、瓦のついた家の中は快適な温度を保ちますが、安い食物繊維質の薄い屋根だと家の中は暑くなります。

 

例外ですが、黒いビニール袋でテントのような家にして住んでいる人たちもいます。

最低賃金では土地を買う余裕もないというのをアピールする「土地なし農民」の活動の一環ですが、子供も多く生活しており、日本人にはとてもショッキングです。

 

ブラジル住宅の豆知識

 

他にもブラジルの住宅について私の感想と共にいくつかご紹介します。

 

・外国はどこでもそうですが、一般に土足です。しかし日系人のお家では土足厳禁としている家庭も少なくはないようです。

 

・トイレでウォシュレットはないので、ノズルについている小型シャワーで洗うのが一般的です。昔は便器の隣のビデで洗浄するのが一般的だったようですが、今ではただの邪魔ものとなっているところが多いです。私も使い方は知りません。

 

・パーティー好きなブラジル人にとって、バーベキュースペースはとても大事!

 

・プールのあるお家は多いのですが、水が冷たすぎることもよくあります。その為、屋根のソーラーパネルで太陽熱を集め(太陽光発電まではいきませんが)プールの水を温めたりします。またそのような方式でキッチンやシャワー・お風呂でお湯を使えるようにしているお家もあります。

(ちなみにブラジルのシャワーは電気シャワーです。後のページでもシャワーの話をしていますので先に知りたい方はこちらへ)

 

・家のガレージの扉はリモコンのボタンで自動開閉しますが、停電中は作動せず家に入れなったり出られなかったり、、、ブラジルではよく停電が起きるので想定内のはずですので何かしらの対処法が出てきてもいいはずなのですが、昔から失敗談として頻繁に聞いちゃいます。なぜなのでしょうか?

 

・アパートのベランダ、家の庭先にハンモックをつるして、お昼寝するのはブラジル人の楽しみの一つです!ブラジルで住む場所を探す場合はハンモックフックのついているお家を探してみるのもいいですね。

 

・アパートは言うまでもありませんが、一軒家にも貯水タンクを置くのが一般的です。水道局の水はいつでもくるわけでなく、節水のために2,3日も止まることもあるので貯水はとても大事です。

 

ブラジルは住宅もいろいろです。

余裕がなく家族何人も一部屋に雑魚寝するような家もあれば、それぞれの子供の部屋にトイレ・シャワーのある家庭もあります。

人は人、自分は自分、だから比較したり気にしたりしなくていいって思えるのもブラジルの魅力の一つです。

自由に自分らしい物件を見つけるのも楽しいですよ。

 

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著者:パパガイオ

ブラジルの酸いも甘いも知り尽くしている在住歴17年の女性。日本で知り合った日系ブラジル人の主人と子供3人で、ブラジルライフを満喫中です!特にトロピカルフルーツや自由な感じがお気に入り。どんなかな?とちょっとでも気になったらぜひ覗いてみてください。面白い発見があるかもしれませんよ?