バリ島の宗教と知っておくべきタブー

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バリ島を訪れた事がある方もまだの方も。「バリ島ってどんなところ?」から「おすすめ観光コース」までご紹介。読めばバリ島に興味が出る事間違い無し。

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著者:佐藤ひより

日本とバリ島の2拠点生活中のフリーライター。大学時代の4年間インドネシア語の研究に尽力していた影響で、バリ島含むインドネシアの知識が豊富。インドネシアに留学経験あり。インドネシア語スピーチコンテスト入賞経験あり。インドネシアの中でも特にバリ島が好きで、日本で田舎暮らしをする傍らバリ島にも定期的に訪れる。バリ島の観光情報以外にも、バリ島芸術や伝統文化、バリ人の国民性などバリ島に関することならジャンル問わずざっくばらんに情報を発信中。お問い合わせはこちらから
twitter(佐藤)https://twitter.com/hiyoriworld629

 

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バリ島の宗教

 

バリ島の宗教は「バリ・ヒンドゥー教」
バリ・ヒンドゥー教はインドから伝わってきたヒンドゥー教や仏教と、もともとインドネシアで信仰されていた土着宗教(その土地に定着している宗教)が融合されてできた、バリ島独自の宗教。

バリ島では、約90%の人々が「バリ・ヒンドゥー教」を信仰しており、「イダ・サン・ヤン・ウィディ・ワソ」と呼ばれる唯一神に対し、祈りを捧げます。

 

2015年、『神様はバリにいる』という映画が放映され、巷では話題になりました。

 

神様はバリにいる

20151月に公開された日本の映画。

クロイワ・ショウが執筆したエッセイ『出稼げば大富豪』が原案。クロイワがバリ島で出会った、「アニキ」と呼ばれる大富豪がモデルとなっており、堤真一が「アニキ」を演じた。Amazon Primeで視聴可能

 

この映画のタイトルにもある通り、バリ島は神々が住む島と呼ばれています。

観光業でひたすら発展を続けてきたバリ島ですが、神々が住む島と呼ばれる理由は一体何なのか。

 

それには、バリ人の持つ宗教観が密接に関係しています。

 

宗教と生活が一体

▲バリ島の寺院 photo by xiquinhosilva

 

インドネシアには「Bhinneka Tunggal Ika (多様性の中の統一)」という言葉があります。

この言葉は国のスローガンとされており、インドネシアでは最も重要な言葉だと考えられます。

 

この言葉は、「人々が何の宗教を信仰し、何の言語を使おうが、みんな同じインドネシア国民である」という意味を持ちます。

インドネシアは多民族国家であるにもかかわらず、お互いの価値観を押し付けずに理解しようという文化が根付いているのです。

 

お祈りするということ

photo by VasenkaPhotography

 

昔からバリ人の間では、「生きるとはお祈りすること」という価値観が存在します。

 

毎日ヒンドゥー教の神々にお祈りするのが習慣化しているバリ島では、時間になると場所を問わずにあちこちでお祈りが始まります。

こういった現場を目にした観光客が、「バリ島は神々が住む島だ」と言い始めたのではないかと考えられているのです。

 

ヒンドゥー教の祭日

 

また、日々のお祈り以外にもバリ人はヒンドゥー教の祭日を大切にしています。

 

ニュピと呼ばれる祭日はすでに紹介しましたが、その前日に行われるオゴオゴという日もヒンドゥー教の祭日として有名です。

 

▼オゴオゴの様子

photo by Fabrice Florin

祭日「ニュピ」についてはこちらで紹介!

 

ニュピの前日になると、悪魔払いの意味をかねて、悪魔に扮した神輿や張りぼてがバリ島の町の中を練り歩きます。

このオゴオゴに向けて、バリ人は何日も前から気合を入れてお祭りの準備を始めるのです。

 

こういったニュピやオゴオゴ以外にも、バリ人は1ヵ月に何度も小さなお祭りを行うほどのお祭り好き。

その度に女性たちは町内会へ出席し、大量のお供え物を作る必要があるのです。

宗教と生活が一体化しているバリ島では、お祭りに参加したがらない女性は村八分(仲間外れ)になりやすい傾向があります。

 

将来的にバリ島に移住しようと考えている人は、こういったバリ人の宗教観をあらかじめ理解しておくのが大切でしょう。

 

絶対にしてはいけない「タブー」

 

バリ島に古くから根付いている、バリ・ヒンドゥーの教え。

 

バリ・ヒンドゥー教とは
インドから伝わってきたヒンドゥー教や仏教と、もともとインドネシアで信仰されていた土着宗教(その土地に定着している宗教)が融合されてできた、バリ島独自の宗教。

バリ島では、約90%の人々が「バリ・ヒンドゥー教」を信仰しており、「イダ・サン・ヤン・ウィディ・ワソ」と呼ばれる唯一神に対し、祈りを捧げます。

 

バリ島を旅行する上で気をつけて欲しいことが、2つあります。

 

1 左手の使い方に注意する

 

バリ島では左手を「不浄の手」としてとらえていて、日常生活ではめったに使いません。

 

不浄の手
ヒンドゥー教では左手が不浄の手とされている。用を足した後に左手を使う事が決められている。

 

そのため、バリ島で現地の人と握手をする機会があっても、左手ではなく右手を差し出すよう意識しましょう。

 

食事をするときも、できれば右手を使う。あとは小さな子の頭を撫でるときも、左手を使わないようにしてください。

 

2 寺院など神様がいる場所には肌の露出が少ない恰好で行く

 

その他に注意することと言えば、寺院など神様がいる場所には肌の露出が少ない恰好で行くということです。

 

▼露出の少ない恰好でお参りに向かう人々

photo by anoldent Some rights reserved

 

神様への信仰心が強いバリ人は、露出の高い恰好で神様に会うことは無礼だと考えて嫌がります。

観光スポットにある寺院ではサロンなど肌を隠す布を貸してくれますが、念のためノースリーブやミニスカートで参拝するのは避けるよう気をつけましょう。

 

サロンとは

インドネシアで使われている、ロングスカート上の腰布。多彩な模様を染め出した、美しいものが多い。

▼このように、布を売っているお店もあります

photo by Diandra Epifania Some rights reserved

 

バリ島にはブラックマジックが存在する?

 

みなさんはブラックマジックを知っていますか?日本語に直すと「黒魔術」という意味があります。

 

バリ島にはブラックマジックが存在すると言われ、嫉妬心などのネガティブな気持ちを原動力にして、相手を不幸にできると考えられています。

 

日本人の中にはこういった非科学的な話を信じる人は少ないかもしれませんが、バリ島ではかなり真剣にこのブラックマジックが信じられています。

 

ブラックマジックにかかるとどうなるかというと、具体的に以下のような状態に陥ります。

 

  • 病気にかかる
  • 事故にあう
  • お金を失う
  • 事業が失敗する
  • 失恋する

 

その他にも、バリ人男性にブラックマジックをかけられた日本人女性が、いつの間にかその男性と結婚していた。など、にわかに信じられない話も存在します。

 

ブラックマジックは本当に存在するのか。

 

それは人々の価値観によるため何とも言い難いですが、バリ島にはそういった話が存在するという事実を覚えておくと良いかもしれません。

 

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著者:佐藤ひより

日本とバリ島の2拠点生活中のフリーライター。大学時代の4年間インドネシア語の研究に尽力していた影響で、バリ島含むインドネシアの知識が豊富。インドネシアに留学経験あり。インドネシア語スピーチコンテスト入賞経験あり。インドネシアの中でも特にバリ島が好きで、日本で田舎暮らしをする傍らバリ島にも定期的に訪れる。バリ島の観光情報以外にも、バリ島芸術や伝統文化、バリ人の国民性などバリ島に関することならジャンル問わずざっくばらんに情報を発信中。お問い合わせはこちらから

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