利尻島・昆布干しバイトの魅力 【実践編】

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利尻島に住んでいた主婦が伝える「利尻島観光」入門の決定版!利尻島へ行く予定の方も旅行先を迷っている方も、これを読めば利尻観光が楽しみになる・行きたくなる!

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著者:そらゆか

旅が好きで日本一周を夢見る主婦ライター。「あなたのために、私のために。」をモットーに、読んでくれた方の心に足跡を残す文章作りを目指しています。学びが好きで、オールジャンルの記事作成が可能。夫の転勤により3年間利尻島で生活。夢の浮島とよばれる自然の美しさと、島の人々の優しさに触れ、利尻島のとりこに。元住民の視点で、島の楽しみ方やその魅力をたっぷりとお届けします。お問い合わせはこちらから

 

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第3章では利尻島の利尻昆布の魅力をお伝えしています。このページでは利尻島のリゾートバイトである「昆布干しバイト」の魅力、具体的にどのような事をするのかについて紹介しています。

知れば利尻島の昆布の見方も変わり、より利尻島観光を楽しめると思います。

 

利尻昆布の種類

▲利尻昆布

 

前のページでも解説しましたが昆布干しのアルバイトは、6月~9月の間で行われます。

昆布を干す作業自体は同じなのですが、利尻昆布には「養殖」と「天然」があり、それぞれの昆布漁のスタートする『時期』と漁の開始『時間』が違うのです。

 

【編集部コラム】養殖と天然で時期をずらす理由
養殖をする場所のイメージが生簀(いけす)のような場所をイメージされていて、時期が一緒でも問題が無いのでは?と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし「養殖」と言っても昆布の養殖は生け簀(いけす)のような場所ではなく海でします。そして採った昆布を干す場所も必要です。

さらに以下で解説するような天然と養殖の取れ高や価格変動率の違いによって時期をずらす事で漁師さんたちは経済的安定などを得られるようにしているのです。

 

「天然昆布」は利尻昆布の中でも最も高値となる稼ぎ頭ですが、自然のものなのでその年によって採れる量に変動がありハイリスクハイリターンでもあります。

そこで、安定性のある「養殖昆布」の人気が高まりました。

養殖昆布は天然昆布より価格は下がるといっても、利尻昆布自体が高級品なので稼げることに変わりはありません。

養殖昆布の場合は『採れる量が安定する』という、心理的にも経済的にもメリットがあります。

 

 

このような理由から天然昆布と養殖昆布を併用している猟師さんも多く「天然」と「養殖」を採る時期が重複しないように逆算して「養殖昆布」の種付けを行っています。

その為「養殖」は6月~7月「天然」は7月中旬~9月ごろというのが収穫の目安ですが、条件が揃った日でなければ昆布漁はできません。

時化(しけ)や悪天候が続くとその分遅れが出ます。

 

 

「養殖昆布」は50mまたは100mのロープに種付けして育てるのですが、その年に採る量をロープの本数でそれぞれ設定し、その本数を採り終えるまでは終われません。

 

そのため「養殖」が終わらないうちに「天然昆布漁」が始まってしまい、重複する年もよくあります。

 

採る時期が重複することをふまえて「養殖」は早朝3時頃、「天然」は5時頃が漁の開始時間となるのでバイトもその時間からスタートします。

 

 

「養殖」と「天然」を掛け持ちでやって、がっちりと稼ぐバイトさんもたくさんいますよ。

 

昆布干しバイトってどんなことをするの?

▲昆布干しの様子

 

養殖昆布でも天然昆布でも、開始時間こそ違いますが、昆布を干すまでの流れはほぼ同じです。

 

【昆布を干す】

①猟師の親方が船に昆布をのせて船着場に戻ってくるので、昆布をトラックに積み込み。

 

 

②トラックで昆布を干し場に運び、手作業で1本1本昆布の表に太陽があたるようにして並べて干し、風で飛ばないようにネットをかけて終了。

 

▼干されている昆布

 

③ここで食事になります。その家によって違いますが、手作りのお弁当が多くウニのおにぎりやオードブルのような豪華なおかずを用意してくれる家もあるようです。

 

【昆布を取り込む】

①15時ごろから(天気が崩れそうな場合は臨機応変に)干した昆布を回収し、親方の家の倉庫へ運んで終了。

 

 

大抵のバイトでは「干して、天日で完全に乾かして取り込む」までがワンセットですね。

 

船からトラックへ昆布を積み込む作業は基本的に男性がやります。

手伝う人の数によってもどこからの作業を手伝うのかは変わります。

 

水をたっぷり含んだ昆布はかなりの重さがあり、昆布を干す作業は何往復も歩いたり、中腰の姿勢も多くあります。

その為個人差もありますが、慣れないうちはキツイ作業だと思います。

 

それでも身体中がびしょびしょになるくらい汗をかいて、澄み切った青空と美しい利尻富士の元で食べるご飯の美味しさは、言葉にできないほど。

夏の利尻でしか味わうことのできない風景贅沢な経験なのです。

 

▼利尻山と利尻昆布

 

 

住み込みバイトの場合、昆布干し~取り込みの他に「倉庫内で昆布の体裁を整えて、製品化する」という仕事をする場合もあります。

 

時給・条件

 

利尻町で募集をしている条件をみてみましょう。(引用:利尻町役場サイト

 

◆年齢

18歳以上の男女 (高校生不可) 大学生歓迎

◆賃金

① 昆布干しおよび回収作業 :時給1000円~1600円

② 昆布の製品作り     :時給800円

◆労働時間

晴天日

○昆布干し(天日乾燥)作業(4:00頃から7:00頃まで)

○回収作業(14:00頃から16:00頃まで)

○その他昆布作業全般

雨天日

○製品作り作業(8:00頃より17:00頃まで)

※天候などにより労働時間の変更や作業ができない日があります。

◆休日

4週4休 ※不定休(応募時に説明いたします)

※4週4休とは「4週間に4回休み」という事

 

と書かれています。

基本的に親方の自宅に住み込みになるので、家賃や光熱費はかかりませんし三食もバッチリついているのでとにかく稼ぎたい人にはぴったり

 

上記の例では利尻町が募集をしていますが役場は窓口の役割で、実際に雇い主になるのは配属される猟師の家の親方です。

※リゾートバイトサイトや自主サイトでの募集もあります。詳しくは前のページで紹介しています。

 

 

どの家に配属されるかで印象は変わると思いますが、猟師さんにとっては利尻まで来てくれた大切な働き手です。

地元の猟師さんは口調は少々荒いのですが、面倒見の良い人が多いのできっと楽しい時間を過ごすことができると思います。

 

 

以上、簡単に利尻昆布や昆布干しのアルバイトについてまとめてみましたが、利尻島のリゾートバイトの良さはまだまだ語り尽くせません。

利尻島の夏の風景は極上です。

そして、観光だけではわからない島民の温かさがあります。

昆布干しバイトならその2つを身を持って知ることができます。

その経験はきっと人生を豊かにしてくれるよ、と元島民の私は伝えたいのです。

 

以上、第3章「利尻昆布の魅力」でした。次のページからは第4章。第4章では利尻島のおすすめ観光スポット15選をご紹介。自然の景色から誰でも楽しめる体験スポットまで。是非利尻島を楽しんでいただければと思います。

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第3章では利尻島の利尻昆布の魅力をお伝えしています。このページから2ページに渡り、利尻島のリゾートバイトである「昆布干しバイト」の魅力について紹介していきます。

知れば利尻島の昆布の見方も変わり、より利尻島観光を楽しめると思います。

 

▲昆布干しの様子 (出典:りしぷら

~利尻島「昆布干しバイト」基本情報~

賃金 ① 昆布干しおよび回収作業:時給1000円~1600円

② 昆布の製品作り:時給800円

年齢 18歳以上の男女 (高校生不可) 大学生歓迎
労働時間  晴天日:○昆布干し(天日乾燥)作業(4:00頃から7:00頃まで)○回収作業(14:00頃から16:00頃まで)○その他昆布作業全般 雨天日:○製品作り作業(8:00頃より17:00頃まで)

※天候などにより労働時間の変更や作業ができない日があります。

休日 4週4休 ※不定休(応募時に説明いたします)

(引用:2018年度利尻町役場サイトより) ※4週4休=4週間に4回休み

※応募は役場・インターネットサイト・自主サイトなど複数あり。詳しくは下で解説しています。

 

昆布干しバイトの概要

 

利尻島の夏のリゾートバイトの1つが「昆布干し」アルバイト。

アルバイトのできる期間は、例年6月~8月頃。バイト期間中は猟師さんの家に住み込みで働くのが一般的です。

6月に入るとウニ漁と昆布漁が解禁になり、島がもっとも忙しい季節を迎えます。(利尻島はウニと昆布が名産。利尻のウニについては第2章で解説しています。現在のページは第3章。)

6月からは観光シーズンにもなるので、とにかく島中で働き手が不足します。文字通り”猫の手も借りたい”くらい。

 

 

当然、島の人間だけでは足りないので「滞在型のアルバイト」という形で、北海道内外問わず募集をします。

 

募集の方法は複数あり

1 利尻町役場サイトにて募集

2 リゾートバイトを扱う派遣会社のサイトにて募集

3 個人のサイトで募集

このいずれかのルートがほとんどです。

中には利尻島に親族・友人・知人がいて直接声をかけられるケースもあるようです。

 

だいたい春頃からぽつぽつと各サイトに募集が掲載されはじめるので(利尻町役場サイトは例年5月上旬)興味がある方は、春先になったら早めにチェックしておくことをおすすめします。

 

利尻町役場サイト http://www.town.rishiri.hokkaido.jp/rishiri/1070.htm
派遣会社サイトの例 https://www.rizoba.com/area/hokkaido/rishiri/
個人サイトの例 http://rishirinow.com/kombuhosi/

 

実際、シーズン中の始めから終わりまで働くつもりで来島しても昆布バイトのキツさや住み込み生活が合わずにリタイアするケースもあります。

そのため実際にはシーズン通して人手は足りないのですが、シーズン途中でバイトを追加募集するというケースはほとんどないようです。

 

なぜ追加募集しないかと言えば、募集にはコストも手間もかかるので残日数を考えても正式な募集をかける方がムダになることが挙げられます。

またシーズン後半になると早くその年のノルマを達成した猟師さんやその家のアルバイトさんがヘルプに入ってくれるから、という理由もあるそうです。

 

昆布干しバイトの魅力

▲昆布干しの様子 (出典:りしぷら

 

猟師さんによって昆布漁の規模には大小があるのですが、大量に昆布漁を行う猟師さんの家では大量のアルバイトが雇われるので本当に色々な人と知り合うことができます。

 

全国のリゾバ(リゾートバイト)巡りをしている人、

日本一周中の資金稼ぎの人、

島暮らしを検討している人、

夏休みを利用してきた学生、

毎年常連の元気なおじいちゃん達・・・

など、全国各地から様々な目的で、年齢の性別も関係なくたくさんの人が働いています。

 

 

夫が利尻島に転勤になって最初に驚いたことは、慣例として「昆布干しバイト」が夫の仕事としてセットになっていたこと。(夫の会社は役場と連携の強い企業です)

つまり会社が強制する公的な「副業」なのです。

会社が社員へこのような事をさせるのは、島の基幹産業のひとつであり人手がいつも不足している「利尻昆布干しバイト」を「地域貢献活動」の一環としているからだそうです。

 

夫の勤める会社は北海道内に20以上の事業所があるのですが、転勤にもれなく「昆布干しバイト」がついているのはもちろん利尻だけ。

同じような転勤組である警察官、学校や病院の先生も「昆布干しバイト」が当たり前。

 

【著者に聞きました!】転勤族の皆さんは強制で昆布干しバイト?
Q. 利尻島へ転勤した方は皆さん強制で昆布干しバイトをおこなうのでしょうか?

A. 夫の会社では「強制」でしたが、他業種の方は「任意」かもしれません。ただ病院の先生や学校の先生何人かに聞いたところみなさん「暗黙の了解で手伝うことが決まってるんだよね~」という回答でした。

ただ転勤族の例外として、北海道庁の出先機関の職員さんだけは以前は同様に昆布干しバイトがセットになっていたものの「副業禁止」の引き締めが強くなった数年前からは行っていないようです。

 

夫の会社の場合、入れ替わりで転勤した人が行っていた雇い主の家にそのまま引継ぎで入るパターンでした。

 

そんなわけで、昆布干しバイトは先ほど述べた様々な目的を持つリゾートバイトさんに加え

雇い主である猟師さん家族、

その親戚や友人知人、

ご近所の方などの地元民、

転勤族の期間限定島民、

で構成されているので色々な立場の人とふれあって知識や見聞を広げる絶好の機会ともいえるのです。

 

 

採用までの流れ

 

昆布干しのバイトは、募集元である利尻町役場や派遣会社の応募要項にそってWeb上での応募や、写真付履歴書の送付からスタートするのが一般的です。

ただ、昆布干しバイトは他のアルバイトに比べ特殊な仕事でもあるのでまずは電話で問い合わせて条件をしっかり確認の上、応募することをおすすめします。

どのようなところが特殊かと言えば、例えば利尻町役場の昆布干しバイト募集の場合「現地採用」という扱いで利尻島までの交通費は自己負担です。

特に遠方からの応募の場合、交通費が自己負担なので、このようにいざ島に来てすぐに「話が違う」となると大問題ですよね。

 

 

採用までの流れは、例えば利尻町役場の募集の場合、必要書類送付後に担当者と電話で面談をして「そのまま採用」となるケースが多いそう。

担当者の方は親切丁寧に色々教えてくれますので、この時点で不安な点はどんどん質問しちゃいましょう。

 

 

とにかく人手が足りないので、応募期間内であれば、よほど条件が合わない方以外は、採用のハードルは高くないとのこと。

島では若くて元気な働き手は大歓迎。

「我こそは」と思う方、ぜひぜひご応募ください。

 

 

次のページでは「昆布干しバイトの実践編」を解説。元島民のリアルな情報をお楽しみに!

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著者:そらゆか

旅が好きで日本一周を夢見る主婦ライター。「あなたのために、私のために。」をモットーに、読んでくれた方の心に足跡を残す文章作りを目指しています。学びが好きで、オールジャンルの記事作成が可能。夫の転勤により3年間利尻島で生活。夢の浮島とよばれる自然の美しさと、島の人々の優しさに触れ、利尻島のとりこに。元住民の視点で、島の楽しみ方やその魅力をたっぷりとお届けします。お問い合わせはこちらから