【格好良い昆虫】ランキングベスト5

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身近な昆虫の魅力を知り、子供の頃のように昆虫を見つけることに喜びを感じられるようになれば、毎日の生活にささやかな幸せが増えることでしょう。

國谷正明氏による『身近な昆虫の観察入門』はこちらから

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。「ノワール文学」「エキゾチックアニマル」「東映実録映画」などのコンテンツ作成も手掛ける。お問い合わせはこちらから
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この章(第3章)では【格好いい昆虫】【可愛い昆虫】【不思議な昆虫】について筆者が独断と偏見で選出したランキング形式でご紹介します。

いずれも日本(主に本州)に棲息する昆虫のみを対象としていますので、ぜひ観察対象などの参考にしていただければ幸いです。

このページでは、誰もが気になるであろう格好良い昆虫ベスト5をランキング形式でお伝えします。

 

第5位:ゲンゴロウ(ナミゲンゴロウ)


By Daiju Azuma投稿者自身による作品, CC 表示-継承 2.5, Link
名称 ゲンゴロウ
大きさ 全長 34~42mm
出現時期 4月~10月
分布 日本全土
いる場所 田んぼ・ため池
備考 「ナミゲンゴロウ」「オオゲンゴロウ」とも言う。

 

ゲンゴロウはタガメに次ぐ大型の水棲昆虫(すいせい こんちゅう=主に水中で生活する昆虫)です。

 

▼タガメ

 

ゲンゴロウの全長は4cmほどに達します。

 

▼4cmのもの:1円玉2枚の直径

 

水の抵抗を最小限に抑える流線型のフォルムと深緑色(ふかみどりいろ)の体色、オールのように発達した後肢を器用に使って水中を縦横無尽に泳ぎ回る姿は、陸上で生活する昆虫にはない独特の魅力を感じさせます。

 

▼ゲンゴロウが泳ぐ様子

 

ため池や水田などに棲息していますが、コンクリートによる護岸(ごがん)、農薬、ブラックバスやアメリカザリガニなどの外来種(がいらいしゅ:人為的に持ち込まれたその地域に元々いなかった種)の影響で、近年その棲息数は著しく減少しているとされています。

筆者も少年時代に探しまわりましたが、結局見つけられずに終わってしまいました。(本種によく似た「ガムシ」は見つけられたのですが……)

環境省によってレッドリストの絶滅危惧Ⅱ類に指定されている希少種ですので、発見してもその場で観察するに留めるなど、種の保存を妨げないよう配慮が必要です。

 

レッドリストの絶滅危惧Ⅱ類
「レッドリスト」とは環境省の定める絶滅の危機がある種のリスト。Ⅱ類は「絶滅の危険が増大している種」でⅠ類はさらに絶滅の危機に瀕している種。

 

第4位:オオスズメバチ

名称 オオスズメバチ
大きさ 全長 27~44mm
出現時期 4月~11月
分布 北海道~九州
いる場所 花の上・樹木

 

オオスズメバチは言わずと知れた日本最大のハチで、スズメバチの仲間としては世界でも最大の種にあたります。

 

ちなみに、ハチ目の世界最大種はオオベッコウバチで、大型のクモ類を専門に捕食する習性から別名「タランチュラ・ホーク」とも呼ばれています。

 

▼オオベッコウバチ(体長6cm以上)


By Mark Pellegrini (Raul654) – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 2.5, Link 

 

オオスズメバチはスズメバチ科最大種というスペックに加え、密林に潜むトラを思わせる黒と黄の毒々しいカラーリングと、耳にするだけで身がすくむような重苦しい羽音、獲物となる昆虫を容易に噛みちぎる強靭な顎など、厨二心(ちゅうにごころ)をくすぐる要素満点の昆虫であるといえるでしょう。

 

 

個人的には二度とお目にかかりたくない恐ろしい存在ですが、同時に抗(こう)しがたい魅力を備えた昆虫であることも否定できません。

 

第3位:シロスジカミキリ

名称 シロスジカミキリ
大きさ 全長 45~66mm
出現時期 6月~8月
分布 本州・四国・九州
いる場所 雑木林

 

シロスジカミキリの魅力はなんといっても、その整った顔貌です。

カミキリムシはイケメン揃いで知られていますが、大きな目(複眼)とがっしりとした顎をもつシロスジカミキリの顔面偏差値は、昆虫界でもトップクラスであるといえるでしょう。

 


By Alpsdake投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, Link 

 

成虫は生木(=地に生えている木)の樹皮を食べる性質があるため、コナラやクヌギなどの広葉樹林で見ることができます。

 

▼コナラ


By Σ64投稿者自身による作品, CC 表示 3.0, Link

▼クヌギ

 

またシロスジカミキリは国内最大のカミキリムシでもあり、その全長は6cmにも達します。

 

▼約6cmのもの:マッチ箱の横の長さ(5.6cm)

 

成虫の寿命はおよそ数ヶ月程度と短命ですので、ひとしきり観察が済んだらその場で放してやることが好ましいでしょう。

 

第2位:メンガタスズメ


By Viren Vaz (self) – Made by self in my own garden, CC 表示-継承 2.5, Link

名称 メンガタスズメ
大きさ 開翅長 90~120mm
出現時期 4月~11月
分布 本州・四国・九州・沖縄

 

メンガタスズメは日本を含めアジア全域に分布するスズメガの仲間で「面形天蛾(めんがたすずめ)」という名のとおり、背面にドクロのような模様が見られます。

映画「羊たちの沈黙」のポスターで目にしたことのある方も多いかもしれません。ジョディ・フォスター演じる捜査官クラリスの口にとまっている蛾がメンガタスズメです。

 

▼映画「羊たちの沈黙」

▼ジョディ・フォスター

by Georges Biard CC 表示-継承 3.0

 

成虫の奇怪な模様もさることながら、幼虫もまたインパクトが凄まじく、終齢時にはなんと10cmを超える巨体にまで成長します。

 

▼10cmのもの:官製はがきの横幅のサイズ

 

メンガタスズメは幼虫、成虫ともに身の危険を感じると「チチチチ……」という鳴き声を発する習性があるため、はじめて幼虫を見た方は大いに驚かれるかと思いますが、毒性はありませんので見つけたら優しくさわってみてください。

 

▼メンガタスズメの幼虫


By Viren Vaz (self) – Made by self in own garden, found on mussaenda, at bottom is entire caterpillar. Top left is the head with the true legs. top right is the tail with tubercles and middle right is the pattern on the dorsal surface., CC 表示-継承 2.5, Link 

 

近縁種にクロメンガタスズメがあり、腹部背面や後翅(こうし:後ろのはね)の模様で見分けることができますが、両者とも非常によく似ているため、外見での判別は難しいかもしれません。

 

▼クロメンメンガタスズメ


By Eric G Gagnon (Tobrook), Montreal, Canada – https://www.flickr.com/photos/hartsell/93701345/ or http://www.istockphoto.com/stock-photo-534621-death-head-sphinx-moth.php, CC 表示-継承 2.0, Link

 

第1位:ハンミョウ(ナミハンミョウ)

名称 ハンミョウ
大きさ 体長 18~22mm
出現時期 5月~8月
分布 本州~九州
いる場所 草地・草木

 

ハンミョウは七色に輝くタマムシのような体と長く鋭い大きな顎をもつ肉食性の甲虫(こうちゅう:堅い羽を持つ虫)で、本州以南において局所的に分布しています。

 

 

水辺に近い無舗装の林道などで見つかることが多いようですが、本種もゲンゴロウ同様、筆者が少年時代に探したものの結局見つけることのできなかった、憧れの昆虫でもあります。

 

鋭い顎をもつことから分かるように完全な肉食性で、機敏な動きで昆虫類を捕食します。

これほどまでに美しく、かつ凶悪さを感じさせる昆虫を筆者は他に知りません。
今でも機会があれば観察してみたい昆虫ナンバーワンです。

 

このページでは【格好いい昆虫】について紹介しました。次のページでは【可愛い昆虫】について紹介いたします。

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