「特撮をもっと楽しむための裏話図鑑 ~その他怪獣編~」はこちらから!
著者:山田チャーハン
幼少期から様々な特撮作品を見て育つ。怪獣特撮・ウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊と鑑賞する作品の幅が広い。作品を見るだけでなく、考察や解説サイトにも興味があり、知識を増やして作品の楽しみ方を増やすのがモットー。友人と特撮談義や特撮縛りのカラオケをすることも。特撮作品の出演を夢見て、特撮に関する仕事を所望している。
お問い合わせはこちらから
Twitter(山田)@yamada_chahan
プルガサリの裏話・撮影秘話
アメリカのキングコング以外にも海外で生み出された怪獣が存在します。
その怪獣の名は「プルガサリ」です。
プルガサリについて制作された映画は1作品のみであるため、知名度が高い怪獣とは言えないでしょう。
そんなプルガサリを生み出した国は北朝鮮。ニュースなどで見る北朝鮮のイメージから怪獣特撮を制作するとは思えませんよね。
現代の情勢を考えると今では制作できない映画かもしれません。
そんな今では制作できないと言えてしまう「プルガサリ」は貴重な怪獣と言えるでしょう。
今回はそんな「プルガサリ」の撮影秘話や裏話を紹介します。
プルガサリとは
▲「プルガサリ ~伝説の大怪獣~」(画像クリックでDVD詳細へ)
基本情報
公開年 | 1998 |
上映時間 | 95分 |
監督 | チョン・ゴンジョ |
備考 | 日本からもスタッフが参加 |
~あらすじ~
高麗朝末期。老鍛冶屋・タクセが米粒から作った伝説の大怪獣・プルガサリが、政府による圧政に苦しむ反乱軍の先頭に立って戦い、ついに暴君の王を倒すが…。 (キネマ旬報社データベースより)
そもそもプルガサリとはどのような存在なのでしょうか。
プルガサリはもともと、朝鮮半島において高麗王朝末期に出現した伝説上の生き物とされています。
鉄を栄養とし、人々の悪夢や邪気を払います。
「奇怪な見た目をした得体の知れない存在」とされていますが、朝鮮半島の伝説では特定の外見はありません。
そのため「牛と犬を合わせた姿」や「巨大な芋虫の姿」などその見た目には諸説あります。
中には、熊の胴体に虎の手足、牛の尻尾に象の鼻、サイの目に弓のような形の牙という説も。色々な要素が合わさりすぎて何がなんだか分かりませんね。
そんなプルガサリですが、水木しげるの漫画『悪魔くん』に登場しています。
水木しげるはプルガサリを巨大な芋虫と捉え、「不吉虫」という名前で登場させました。
プルガサリ(불가사리)という名前にはハングルで「不可殺」という意味が込められ、殺すことができない怪物としても知られています。
朝鮮半島では「松都末年のプルガサリ」という慣用句も存在します。この慣用句は「手のつけられない乱暴者」という意味です。
映画においては二足歩行の怪獣の姿で描かれました。巨大な芋虫として描かれていたら一体どうなっていたのでしょうか。
プルガサリと金正日氏
この映画をプロデュースしたのは金正日です。
金正日は前・北朝鮮最高指導者です。
北朝鮮の前最高指導者。「ゴジラ」「男はつらいよ」などのファンであったという。現北朝鮮最高指導者・金正恩氏の父。
▼金正日氏
photo by Pyongyang 100th Year Kim Il Sung Birthday Celebrations 03.jpg: Photographed by Joseph Ferris III. Derivative work: Great
金正日氏は相当の映画好きだったようで、製作時には日本からゴジラシリーズに携わった薩摩剣八郎など、東宝特撮チームを招待。
日本のスーツアクター(着ぐるみの中に入る役者)。1984年に公開された「ゴジラ」ではゴジラの中に入って演じた。
今では考えられない交友関係かもしれませんね。
日本の特撮に信頼を寄せていたのか、予算は使い放題だったようです。そのため、建物などのミニチュアはクオリティが高く、特撮シーンは高い完成度を誇っています。
日朝の協力で誕生した「プルガサリ」という怪獣。
いつの日かリメイクされると良いですね。
「プルガサリ ~伝説の大怪獣~」を観る方法
プルガサリは動画配信サービス
Hulu
Amazon Prime
TSUTAYA TV
dTV
U-NEXT
楽天TV
には取り扱いがありません。
DVDをamazonや楽天で購入するか
TSUTAYA DISCASにて宅配レンタルしてもらう、という方法があります。
以上、山田チャーハン氏による「特撮をもっと楽しむ裏話図鑑2 ~その他怪獣編~」でした!いかがでしたでしょうか?
怪獣の裏話や撮影秘話を知っていればより特撮が楽しく観れること間違い無しです!今度の休日に一気に鑑賞してみてください!
著者:山田チャーハン
幼少期から様々な特撮作品を見て育つ。怪獣特撮・ウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊と鑑賞する作品の幅が広い。作品を見るだけでなく、考察や解説サイトにも興味があり、知識を増やして作品の楽しみ方を増やすのがモットー。友人と特撮談義や特撮縛りのカラオケをすることも。特撮作品の出演を夢見て、特撮に関する仕事を所望している。
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Twitter(山田)@yamada_chahan