チャイコフスキー「くるみ割り人形」 初心者にもわかりやすく解説

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「クラシック音楽」と聞くとなんだか難しそうで敷居も高い。でもクラシック音楽を作っている作曲家だって人間です。面白いエピソードもたくさんあるんです。有名曲と作曲家を知りクラシック音楽を楽しみましょう!

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著者:めーぷる

国立大学医学部で大学生活を楽しみつつ、プログラマーとライターの仕事も手掛けています。幼少期からピアノとヴァイオリンを習っており、クラシック音楽、ジャズ、洋楽と幅広いジャンルの音楽に親しんでいます。趣味は幅広く、音楽の他にもバドミントン、スキー、スポーツ観戦、海外ドラマ、料理、カフェ巡りなど多岐にわたります。お問い合わせはこちらから

 

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<まずは聴いてみよう!>

クラシックの名曲を通じてクラシック音楽の魅力を学んでいきましょう!

今回はチャイコフスキー「くるみ割り人形」です。最初に音楽を聴いてから、記事を読むことでクラシックへの理解が増すことでしょう。

こちらの曲はとても有名なので、聴き覚えがある方は多いと思います。

▼金平糖の踊り

▼葦笛の踊り←ソフトバンクのCMなどにも使われていました。

 

 

さて、前のページに引き続き、オーケストラの曲の紹介をしていきましょう。このページでご紹介するのはチャイコフスキーの「くるみ割り人形」です。

この曲はチャイコフスキーの代表作ともいうべき作品です。

チャイコフスキーの童心に返ったようなかわいらしい世界を存分に楽しんでいきましょう。

 

チャイコフスキー

▲ピョートル・チャイコフスキー

 

ピョートル・チャイコフスキーは19世紀半ば(1840年)に生まれた作曲家です。

彼の音楽家としての人生というのは他の偉大な作曲家とは違った始まり方をしています。

 

彼は幼少期のころから音楽的才能の片鱗を見せていたようですが、両親の意向によって、音楽家になるという選択肢は与えられることはありませんでした。

チャイコフスキーは10歳で法律学校に進学し、卒業後も法務省の文官として地道なキャリアを築いていきました。

しかし、チャイコフスキーは文官という仕事に対して、あまり前向きな姿勢で取り組むことはできなかったようです。

 

 

21歳のある日、チャイコフスキーに転機が訪れます。

ペテルブルグ音楽院に入学し、初めて音楽を本格的に学び始めることとなるのです。2年後には法務省を辞職し、本格的に音楽に専念することとなります。

 

ペテルブルグ音楽院とは
世界三代音楽院の一つであるモスクワ音楽院とともにロシアの音楽学校の中心を担う。チャイコフスキーをはじめ、数々の有名音楽家の出身校である。

▼ペテルブルク音楽院

 

そして、ペテルブルグ音楽院を卒業したチャイコフスキーはモスクワ音楽院で教鞭(きょうべん)をとる傍ら、ようやく作曲家としての活動も開始します。

このようにチャイコフスキーは一般高等教育をうけたのちに音楽教育を受けた非常に珍しい一面を持っているのです。

 

モスクワ音楽院
ロシアの音楽学校。世界三大音楽院の一つ。

▼1901年のモスクワ音楽院

 

純粋な感性の持ち主

 

チャイコフスキーは繊細な感性の持ち主であったことがさまざまな文献から明らかになっています。

彼は非常に優しい心を持っており、子供やか弱い動植物、同性愛者の人に対しても、心を開いて接していたようです。

そうして霞(かすみ)のない純粋な感性というのが彼の中で形成されていったのでしょう。

 

チャイコフスキーの楽曲は彼独自の純粋な感性が存分に生かされており、抒情的(じょじょうてき:非常に感慨深い様子)な側面にその特徴があるということが言えるでしょう。

また、交響曲の他にもバレエ音楽(バレエで使われる音楽)も手掛けており、バレエ音楽独特のメルヘンチックな世界を見ることができる曲も多いです。

 

交響曲
交響曲というのは、管弦楽という下記のような楽器を使って奏でられる音楽の中で最も規模が大きいものです。「規模が大きい」というのはオーケストラの中でもとりわけ管楽器の種類・パートごとの人数が多いということを指すのが一般的です。

<管弦楽に使用される楽器>

「管楽器」・・・口に加えて音を出すような楽器。フルート、トランペットなど

「弦楽器」・・・糸を引いて音を鳴らすような楽器。バイオリン、ギターなど

「打楽器」・・・打ったり、こすったりするなどして音を鳴らすような楽器。カスタネット、木琴、ギロなど

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今回ご紹介する「くるみ割り人形」もチャイコフスキーが手掛けたバレエ音楽のひとつであり、おとぎ話の世界のようなかわいらしさというのが感じられることでしょう。

 

 

くるみ割り人形

▲くるみ割り人形

 

「くるみ割り人形」はチャイコフスキーの3大バレエ音楽の一つにも数えられる大作です。くるみ割り人形というのは人形の形をしたくるみを割る道具のことを指します。

この曲は8つの小曲を通して、一つの物語が語られるような構成となっています。

 

その物語というのはくるみ割り人形に関する非常にファンタジックな内容です。

それに呼応するように音楽自体もまるで童心に帰ったようなかわいらしいものとなっています。

「くるみ割り人形」を聴く際にはこの物語を読みながら聴いてみるとより楽しむことができるでしょう。

 

「くるみ割り人形」の物語のあらすじ
クリスマスイブの夜、自宅でパーティを開催中に、少女クララはおじさんから「くるみ割り人形」をプレゼントされますが、兄弟で取り合いになり人形はこわれてしまいました。

クララが修理されている人形を見に来たところ時計が真夜中の12時を指します。すると、クララの体は小さくなり人形ほどの大きさになりました。

そんな最中どこからともなく現れたねずみの大群とおもちゃの兵隊たちが戦争を始めます。おもちゃの兵隊のリーダーは、例のくるみ割り人形で、クララの助けもあっておもちゃの兵隊たちは勝利。

するとくるみ割り人形は王子の姿になっており、王子は助けてくれたお礼にクララをお菓子の国に招待。

お菓子の国ではお菓子の国の女王「金平糖の精」にも歓迎されて宴が催されました。(「金平糖の踊り」はお菓子の国にて披露される)その後の展開は、夢から覚めるエンディングとお菓子の国で終わるタイプのエンディングがあります。

<8つの小曲>

第1曲 小序曲

第2曲 行進曲

第3曲 金平糖の踊り

第4曲 ロシアの踊り

第5曲 アラビアの踊り

第6曲 中国の踊り

第7曲 葦笛の踊り

第8曲 花のワルツ

 

また、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」の注目ポイントとして、第3曲「金平糖の踊り」に登場する「チェレスタ」という楽器が挙げられます。

 

▼チェレスタ

photo by Larissa Kirillina Some rights reserved

 

このチェレスタという楽器は一見オルガンのような見た目をしているのですが、実際はまるで鉄琴のような音を奏でます。

▼鉄琴

鍵盤を押すことによって鉄の板が振動して音を出す仕組みになっているのです。

チェレスタは「天使の楽器」とも言われるほど、きらびやかな音を奏でます。ぜひ、チェレスタの音にも注目しつつ聴いてみましょう。

 

▼第3曲「金平糖の踊り」を実際に聴いてみればチェレスタの鉄琴のような音がわかることでしょう

 

さて、今回はチャイコフスキーの「くるみ割り人形」についてご紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか。

ぜひ、純粋だった子供のころを思い出しながらお楽しみください。

 

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著者:めーぷる

国立大学医学部で大学生活を楽しみつつ、プログラマーとライターの仕事も手掛けています。幼少期からピアノとヴァイオリンを習っており、クラシック音楽、ジャズ、洋楽と幅広いジャンルの音楽に親しんでいます。趣味は幅広く、音楽の他にもバドミントン、スキー、スポーツ観戦、海外ドラマ、料理、カフェ巡りなど多岐にわたります。お問い合わせはこちらから