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この章(第3章)ではサイゼリヤの調味料の楽しみ方を2ページにわたってお伝えします。
このページでは「チーズ」の魅力についてお伝えします。魅力を知ることで楽しみ方もきっと変わることでしょう。
サイゼリヤのチーズについて
サイゼリヤには2種類の粉チーズがあります。
無料で使用することができる「アランモラビアチーズ」と、100円(税込み)で注文することができる「削りたてペコリーノチーズ」です。
サイゼリヤは、リーズナブルな価格が魅力のファミリーレストランです。そのため有料のチーズを注文するのに抵抗を感じる方も多いとは思います。
しかしペコリーノチーズの魅力を知れば、有料で注文する価値も充分にあると感じるかと思います。
ペコリーノチーズとは
サイゼリヤの有料で提供されているペコリーノチーズですが、そもそも「ペコリーノチーズ」とはどのようなものなのでしょうか。
ペコリーノチーズとは羊のミルクを原料としたチーズです。
▼ペコリーノチーズ
By Deanna from Chicago ‘burbs – Part of For Sue, CC 表示-継承 2.0, Link
ペコリーノチーズはイタリア最古のチーズで、2000年以上前のローマ帝国時代から食べられていたと言われる歴史のあるチーズです。
イタリアの地域によっては、家庭に常にペコリーノチーズのブロックがあるほど日常的に食べられています。
サイゼリヤのペコリーノチーズ
サイゼリヤは、イタリアの島で羊の一大産地であるサルディーニャ島のメーカーと契約を結んでおります。このメーカーではサイゼリヤ用に、塩分等を調整したオリジナルのチーズが作られているのです。
ペコリーノチーズは粉にする前は1つが25kgもある巨大な塊の状態です。
チーズは塊から粉チーズになると、油の酸化が進むなどの影響により、一気に風味が失われていきます。「酸化が進む」というイメージはホットコーヒーが時間経過すると味が酸っぱくなっていく現象を想像すると理解しやすいかと思います。
サイゼリヤはそうしたことを考慮し、大きな塊のまま日本へ運び、必要分だけ毎日すりおろして店に運んでいるそうです。おろしたての味わいを楽しめるのには、そうした工夫があるのです。
無料のチーズと比較
▲パルマ風スパゲッティ 399円(税込)
アランモラビア
サイゼリヤの無料のチーズとペコリーノチーズを実際に食べて比較してみました。
無料のチーズは「アランモラビア」というイタリア産のチーズです。無料だからと言って侮るなかれ、こちらはミラノ風ドリアの味に違う魅力を引き出してくれるチーズなのです。
トマトの酸味が魅力的な「パルマ風スパゲッティ(399円)」に、まずは無料の粉チーズをかけて食べてみました。
トマトの酸味にチーズのコクが足され、粉チーズ好きには大満足の味わいです。たっぷりかけて粉チーズまみれにして食べたい、と思わせれてくれる味です。
ペコリーノチーズ
それでは、「ペコリーノチーズ」はどうでしょうか。
かけて食べてみると、ペコリーノチーズがアランモラビアチーズとは全く違うことがすぐにわかります。それはどちらが美味しいという訳ではありません。
ペコリーノチーズは独特な風味と濃厚な味わいがあります。そして「アランモラビアチーズ」にはないしっかりとした酸味があります。
これをトマトをふんだんに使用した「パルマ風スパゲッティ」にかけて食べると、ペコリーノチーズの酸味が加わり、トマトの酸味の美味しさを引き立ててくれます。つまり味の増幅効果を生んでいるように感じます。
少し脱線しますが、コーヒーの世界では近年「チョコレートの風味がするコーヒーには、お菓子はチョコレートを合わせる」というようにコーヒーとフードの味の方向を揃えることで味の増幅効果を生むフードペアリング(組み合わせ)が主流になってきています。
(関連:フードペアリングについて【提携サイト:Enjoy Cafe】)
サイゼリヤのこのペコリーノチーズとトマトの組み合わせは味の方向(酸味)が似ており、お互いの味を引き立てることで、今までにないサイゼリヤ体験をさせてくれている感じがします。フードペアリング感溢れる体験です。
お互いの味を引き立たせ合う感覚は食べてみればわかると思いますので、トマト料理を注文する際はペコリーノチーズも合わせて注文してみてはいかがでしょうか。
サイゼリヤのメニューは、知識をつけて食べることでさらに美味しくなると感じております。知識を深めて、より楽しい外食チェーンライフを過ごしていただければ幸いでございます。
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はじめに
第1章 安くて美味しい理由/strong>
第2章 定番メニューの楽しみ方
第3章 調味料の楽しみ方
著者:Webon編集部
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