【気持ち悪い昆虫】ランキングベスト5

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身近な昆虫の魅力を知り、子供の頃のように昆虫を見つけることに喜びを感じられるようになれば、毎日の生活にささやかな幸せが増えることでしょう。

國谷正明氏による『身近な昆虫の観察入門』はこちらから

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。「ノワール文学」「エキゾチックアニマル」「東映実録映画」などのコンテンツ作成も手掛ける。お問い合わせはこちらから
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『身近な昆虫の観察入門』目次へ  (全17ページ)

 

 

このページは『番外編』です。

第3章では【格好いい昆虫】【可愛い昆虫】【不思議な昆虫】について筆者が独断と偏見で選出したランキング形式でご紹介しました。

このページでは、昆虫好きの筆者でさえ生理的な嫌悪感をおぼえてしまうような、いい意味で気持ち悪い虫たちをご紹介していきます。

あくまでも「いい意味で気持ち悪い」昆虫ですので、ぜひフラットな気持ちでお読みいただければ幸いです。

 

※本ページは昆虫が苦手な方は閲覧注意

 

 

第5位:マダラガガンボ

名称 マダラガガンボ
大きさ 体長 5cm
出現時期 4月~7月
分布 北海道~九州
いる場所 雑木林

 

マダラガガンボは最大5cmにも達する日本最大のガガンボで、その名のとおり全身に白と茶色の斑模様がはいっています。

 

▼大体5cmのもの:クレジットカードの縦の長さ(およそ5.4cm)

 

 

外見がよく似た科やアメンボと違い、成虫は水しか摂取しないおとなしい昆虫であるため人間に害は及ぼしませんが、異様に細長い手足と奇怪な斑模様は見る者に嫌悪感を与えます。

ガガンボの生態にはいまだ謎が多く、生物学的な興味は尽きませんが害がないといえ「決して触りたいとは思えない」というのが本音のところです。

水辺に近い草むらや雑木林で多く見ることができますので、機会があれば観察してみてください。

 

第4位:アオバアリガタハネカクシ


By ©entomartIn case of publication or commercial use, Entomart wishes then to be warned (http://www.entomart.be/contact.html), but this without obligation. Thank you., Attribution, Link

名称 アオバアリガタハネカクシ
大きさ 7mm
出現時期 3月~11月
分布 北海道・本州・四国・九州・沖縄
いる場所 田んぼ・池沼の周辺

 

ハネカクシはゾウムシに次いで高い多様性をもつ一群で、進化論を提唱したことで知られる博物学者チャールズ・ダーウィンもハネカクシの多様性に強い関心を寄せていたといわれています。

世界で25,000種以上、日本にも1,000種近いハネカクシが分布しているとされています。

 

アオバアリガタハネカクシはわたしたちにとって身近なハネカクシのひとつで、ありがたくないことに体液中にペデリンという毒性をもち、皮膚につくと火傷様の炎症を引き起こすことから「ヤケド虫」と呼ばれて忌み嫌われています。

赤と黒の体色には厨二心をくすぐられますが、払い落とすだけで体液を分泌し炎症を起こす強い毒性はいただけません。

体液が目に入ると最悪失明の恐れがありますので、見つけても近づかないように気をつけてください。

姿形もよく見ると気持ち悪いです。

 

第3位:マダラカマドウマ

名称 マダラカマドウマ
大きさ 体長 25mm
出現時期 8月~11月
分布 日本全土
いる場所 雑木林

 

マダラシリーズ第2弾はカマドウマです。

俗に便所コオロギと呼ばれるもので、日本に棲息するカマドウマのなかではもっとも大きく、また見かける機会の多い種類でもあります。

 

くっきりとした斑模様と丸みを帯びた体は見ようによっては格好良いといえるかもしれませんが、残念ながら筆者はまだその境地に達してはいません。

また、カマキリと同じようにハリガネムシの宿主となることが知られており、死んだカマドウマの体内からハリガネムシがうにょうにょと這い出す様子はトラウマ必至です。

YouTubeで探せば動画がありますので、興味のある方はご覧になってみてください。

 

第2位:ヨコヅナサシガメ


CC 表示 3.0, Link 

名称 ヨコズナサシガメ
大きさ 体長 16~24mm
出現時期 4月~7月
分布 本州・四国・九州
いる場所 樹木

 

サシガメはカメムシの仲間でありながら、タガメやマツモムシといった水棲のカメムシと同じように鋭い口吻で獲物の体液を吸う習性のある肉食性の昆虫です。

 

▼タガメ


By OpenCagehttp://opencage.info/pics/large_6458.aspLocationItami, Japan, CC 表示-継承 2.5, Link 

▼マツモムシ

 

ヨコヅナサシガメは日本に棲息するサシガメのなかでもっとも大きく、幸い筆者は刺されたことがないので実際のところはわかりませんが、刺された際の痛みも激しいようです。

外見は他のサシガメと比べても地味で、特に気持ち悪さを感じさせるものではありません。

 

▼他のサシガメの例:ヤニサシガメ(幼虫)


By あおもりくま – 青森市合浦公園のアカマツの樹皮を這い廻っていた変な光沢のある虫。, GFDL, Link 

 

では筆者が何故ヨコヅナサシガメが苦手かといいますと、ヨコヅナサシガメは集団で越冬する習性があり、寒くなるとサクラやケヤキといった樹のくぼみで身を寄せ合います。

筆者が中学生のときでした。友人とふざけあっていた際に、自転車置き場のすぐ近くにあったサクラの木の表面――ヨコヅナサシガメの大群が蠢いている箇所のすぐ近くに誤って手をついてしまい、非常にぞっとする思いを味わいました。

しかも、そのほとんどが脱皮直後特有の真っ赤な体色をしており、余計に毒々しく見えたことも気持ち悪さを増幅させていたように思います。

こちらもYouTubeに動画がありますので、ぜひご覧になってみてください。

 

第1位:オオゲジ

名称 オオゲジ
大きさ 体長 45~70mm
出現時期 3月~11月
分布 本州南部以南
いる場所 森・洞窟

 

いわゆるゲジゲジです。

ムカデやヤスデと同じ多足類に属する節足動物で、厳密にいうと昆虫ではないのですが、前で述べているようにここでは広義の虫として同列に扱わせていただきます。

オオゲジには毒性がなく、ゴキブリなどの害虫を捕食する習性から、人間にとって役に立つ「益虫」であるとされていますが、一方でその奇怪な姿形から結果的に害虫として扱われている不憫な生き物でもあります。

 

筆者自身も頭では益虫であると理解しているのですが、幼稚園時代に園内でかくれんぼをしてオルガンの下に隠れようとしたときに夥しい数のゲジゲジに囲まれたというトラウマがあり、今でもその気配を感じただけで体が硬直してしまいます。

すぐ裏に山があり目の前に海が広がっているような自然に囲まれた古い幼稚園だったので仕方ないのかもしれませんが、幼いながらに「部屋の中くらいちゃんと掃除しとけよ!」と強い憤りをおぼえた記憶があります。

オオゲジを飼育している愛好家の方もいらっしゃるようですが、こればかりはとても挑戦できそうにありません……。

 

このページでは【気持ち悪い昆虫】について紹介しました。

大人の方は昆虫を気持ち悪いと思う方も多く、このページで紹介したように気持ち悪い昆虫もします。ただ、昆虫には【格好いい昆虫】【可愛い昆虫】【不思議な昆虫】などもおり、その魅力を知れば昆虫を見つける喜びを知ることができるのです。

昆虫の魅力を知って、皆さんの生活にささやかな幸せが増えることを願っています。

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