【可愛い昆虫】ランキングベスト5

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身近な昆虫の魅力を知り、子供の頃のように昆虫を見つけることに喜びを感じられるようになれば、毎日の生活にささやかな幸せが増えることでしょう。

國谷正明氏による『身近な昆虫の観察入門』はこちらから

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。「ノワール文学」「エキゾチックアニマル」「東映実録映画」などのコンテンツ作成も手掛ける。お問い合わせはこちらから
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『身近な昆虫の観察入門』目次へ  (全17ページ)

 

 

この章(第3章)では【格好いい昆虫】【可愛い昆虫】【不思議な昆虫】について筆者が独断と偏見で選出したランキング形式でご紹介します。

いずれも日本(主に本州)に棲息する昆虫のみを対象としていますので、ぜひ観察対象などの参考にしていただければ幸いです。

このページでは【可愛い昆虫】をランキング形式で紹介します。

 

第5位:ハマダンゴムシ

名称 ハマダンゴムシ
大きさ 体長 3~25mm
出現時期 通年
分布 北海道・本州・四国・九州
いる場所 砂浜

 

個人的に可愛い昆虫といえばまず思い浮かぶものがダンゴムシです。

触るとくるんと丸まる姿には独特の愛嬌があり、数え切れないほど観察してきた今でも思わず笑いそうになっていまします。

ハマダンゴムシは公園などで見かける機会の多いオカダンゴムシと違い、海沿いの砂浜に棲息する珍しいダンゴムシです。

 

▼オカダンゴムシ


By あおもりくま ( Aomorikuma ) – 青森県青森市 合浦公園, GFDL, Link 

 

砂浜に打ち上げられた貝や魚の死骸、海藻などを食することから「海の掃除屋」ともいわれています。

ひとけのない砂浜に棲息地が限られることと、夜行性であるため昼間は砂中に潜っています。そのため積極的に探そうとしなければ遭遇する機会は滅多にありません。

ただし気候によっては昼間で砂浜近くの日陰などで見かける場合もあります。

 


体色は灰色や白、赤褐色など比較的淡い色合いで、黒みの強いオカダンゴムシとは違い両目をはっきりと認識することができるので、より可愛らしいダンゴムシであるように感じられるでしょう。

 

第4位:クロウリハムシ

名称 クロウリハリムシ
大きさ 体長 6~7mm
出現時期 4月~10月
分布 本州以南
いる場所 カラスウリの葉

 

ハムシとは「葉虫」という名のとおり、植物の葉を食べる習性をもつ小型の甲虫(こうちゅう:堅い羽を持つ虫)の一群で、日本にはおよそ500種以上が分布しているとされています。

クロウリハムシはハムシの中でもっともポピュラーなもののひとつで、黒く艶のある鞘翅(しょうし:昆虫のハネの形の一種で固くなったもの)と濃いオレンジ色の小さな頭部のコントラストが印象的です。

 


By Kirisame投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link 

 

全長1cmに満たない小さな昆虫ですが、ウリ科の植物の葉を好んで食す性質がありますので、葉っぱを注意深く観察していれば比較的高い確率で見つけることができます。

 

▼約1cm:1円玉の半径

 

真っ黒な大きな目がどこかとぼけたような表情を醸(かも)しており、見る者を脱力させるような愛嬌があります。

ゆっくりと葉を食べ進んでいく姿は癒し効果が抜群ですので、見つけてもすぐには捕まえず、まずはじっくり観察してみることをお勧めします。

 

第3位:オオゾウムシ

名称 オオゾウムシ
大きさ 体長 12~30mm
出現時期 5月~9月
分布 日本全土
いる場所 樹木・森

 

ゾウムシは昆虫のなかでも特に種類が多い一群で、世界中で約6万種、一説によると未だ発見されていないものを含めると20万を超える種類が棲息しているといわれており、昆虫の多様性を象徴する存在として知られています。

オオゾウムシは600種以上が分布するといわれる日本のゾウムシの中でもっとも大きいゾウムシのひとつで、「象虫」という名のとおりゾウのような長い鼻が特徴的です。

 

本種は夏によく見られる昆虫で、夜になるとカブトムシやクワガタムシと同じように樹液に群がる姿を見ることができます。

ゾウムシの中では大きい部類に入りますが、それでも2~3cm程度の全長にしかならず、また体色も樹皮の色によく似ていますので、注意深く観察しないと見逃してしまうかもしれません。

ちなみに、鼻のように見える部分は口と顎が一体になったもので、ゾウムシはこの長い口で果実や茎など植物の奥深くの組織を食します。

 

 

第2位:ケラ(オケラ)

名称 ケラ
大きさ 体長 30~50mm
出現時期 4月~10月
分布 日本全土
いる場所 田んぼ
備考 日本では「オケラ」と呼ばれることも多い。

 

やなせたかし氏が作詞した童謡「手のひらを太陽に」の歌詞にも登場することから高い知名度を誇るにもかかわらず、実物を見たことがある人が意外と少ないオケラ。

 

▼童謡「手のひらを太陽に」:歌詞でオケラが登場する箇所

 

コオロギを細長くしてモグラの手を生やしたような不思議な外見と、手のひらに載せたときに必死で指のあいだに潜ろうとする姿には、他の昆虫にはない特有の可愛らしさがあります。

 

 

土中を掘り進むために進化を遂げた前肢は非常に力強く、全長3cm程度の小さな体にもかかわらず、ケラを乗せた手に痛みをおぼえるほどです。

 

▼約3cmのもの:SDカードの縦の長さ

 

基本的に地中に潜って生活しており普段は目にする機会はありませんが、田植えの時期には田んぼの土中に潜んでいたケラが居場所をなくすなどして地上に姿を現すことがあるため、観察には適しています。

また、土中に潜るばかりではなく泳ぎや飛ぶことも得意で、空・陸・水に対応できる数少ない昆虫です。

 

ちなみに筆者は今年の田植えの時期に捕まえたケラを飼育しているのですが、普段は土に潜っていて姿を見ることができないため、ケラを飼っているというよりも土を飼っているような気分になってきます……。

 

第1位:カイコ

名称 カイコ(蚕)
大きさ 成虫 40mm~45mm
いる場所 野生には生息しない
備考 カイコの成虫を「カイコガ」と言う場合もある。

 

カイコは完全に「家畜化(=人が動物の生殖を管理すること)されており、野生下では生存することができません。

そのため、厳密にいうと「日本に棲息する昆虫」という条件からは外れてしまいます。ただ、古くから日本で飼育されているということで例外的にランクインさせていただきました。

カイコは幼虫時には桑の葉を食しますが、成虫になると食べ物はおろか水さえ一切摂取することなく、次世代の命を残して1週間から10日程度で寿命を迎えます。

 

▼桑の葉の上にいるカイコの幼虫

 

ふかふかの体毛と真白い体色は小動物のような雰囲気すら感じさせ、思わず触りたくなってしまうような魅力を備えています。

 

▼カイコの成虫

 

姿形だけでなく、人間とともに歩んできた歴史を考えても、カイコこそもっとも可愛い昆虫であると断言できるでしょう。

 

このページでは【可愛い昆虫】を紹介しました。次のページでは【不思議な昆虫】を紹介いたします。

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