ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」 初心者にもわかりやすく解説

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「クラシック音楽」と聞くとなんだか難しそうで敷居も高い。でもクラシック音楽を作っている作曲家だって人間です。面白いエピソードもたくさんあるんです。有名曲と作曲家を知りクラシック音楽を楽しみましょう!

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著者:めーぷる

国立大学医学部で大学生活を楽しみつつ、プログラマーとライターの仕事も手掛けています。幼少期からピアノとヴァイオリンを習っており、クラシック音楽、ジャズ、洋楽と幅広いジャンルの音楽に親しんでいます。趣味は幅広く、音楽の他にもバドミントン、スキー、スポーツ観戦、海外ドラマ、料理、カフェ巡りなど多岐にわたります。お問い合わせはこちらから

 

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<まずは聴いてみよう!>

クラシックの名曲を通じてクラシック音楽の魅力を学んでいきましょう!

今回はラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」です。最初に音楽を聴いてから、記事を読むことでクラシックへの理解が増すことでしょう。また、聴きながら読むことでさらに理解が増すのでおすすめです。

【第1楽章】

【第2楽章】

【第3楽章】

 

 

このページでは作曲家ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」についてご紹介していきます。

ラフマニノフの協奏曲第2番は聞いたことがあるという人と言うのは多いはずです。

なぜなら4年前のソチオリンピック。フィギュアスケート・女子フリーで浅田真央選手がショートプログラムの失敗をものともしないような迫真の演技を見せたのを覚えているという方も少なくないでしょう。

その時浅田真央選手がフリースケーティングのプログラムとして用いた曲こそ、「ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番」だったのです。

▼ソチ五輪の浅田真央選手

photo by David W. Carmichael CC 表示-継承 3.0

 

そのほかにも、テレビのBGMやCMとして用いられている場合も多いので、意識せずとも聞いたことがあると言う方も少なくないでしょう。

 

セルゲイ・ラフマニノフ

 

ラフマニノフは19世紀後半から20世紀にかけて活躍したロシアの作曲家です。

ラフマニノフはピアニストとしても活躍しており、彼の手は大きいうえ柔軟性も極めて高かったためおよそ12度、つまりドからソまで届いたという伝説の持ち主としても有名です。

 


※ドから1オクターブ上のソまでは約37センチ

 

ラフマニノフはその類稀な才能と自らの恵まれた手を武器にピアニストとして大きな成功をおさめ、あの「フランツ・リストに匹敵する」という声すら上がるほどのピアノの名手でした。

 

フランツ・リストとは
フランツ・リストはオーストリア出身の音楽家・作曲家。10歳の頃にはすでに自分でコンサートを開くなど、幼い時からピアノの演奏において神童ぶりを発揮していた。

10代でベートーヴェンからもその実力を絶賛。リストの入った浴槽の水を欲しがる程の熱狂的なファンも出現したという逸話も。

▼フランツ・リスト

 

そんな彼は非常に有名な曲を残していますが、彼の残している曲というのは彼が生きている時代には評価が大きく二分されてしまっていたというのもまた事実です。

彼の残した名曲の数々は彼の死後になって再評価されたものというのも少なくないのです。

そのような死後再評価された彼の作品の中の一つが今回ご紹介している「ピアノ協奏曲第2番」なのです。

 

 

ピアノ協奏曲第2番

「ピアノ協奏曲」とは

 

クラシック音楽の曲にはさまざまな形態がありますが、その中の一つに「ピアノ協奏曲」というものがあります。

ピアノ協奏曲とは簡単に言えば「1人で演奏するピアノが他の楽器と協力して奏でる」曲になります。

ピアノ協奏曲の場合、ソリスト(1人で演奏する人)用のピアノがオーケストラの前に設置されており、オーケストラの伴奏(補助的な演奏)に合わせて、ソリストが旋律(メロディー)を奏でていくという形態が基本になります。

 

▼ピアノ協奏曲の様子(一番前にいるピアノの奏者が「ソリスト」)

photo by Justin Ruckman from Charlotte, NC, USA – Rachmaninov Piano Concerto No. 2, Mvt. I CC 表示 2.0

 

ピアノ協奏曲の中にはオーケストラがメロディーを、ソリストがピアノで伴奏をするという場合もあるのですが、基本的にはソリストの奏でる旋律(メロディー)がメインで楽曲が進行していくと考えて差し支えないでしょう。

 

 

ピアノ協奏曲の魅力はなんといってもピアノとオーケストラの抜群のコンピネーションが織りなす「掛け合い」にあるということができます。

この「掛け合い」について説明すると少し長くなってしまうので初心者の方はとりあえずここま理解しておけば十分でしょう。

 

「ピアノ協奏曲第2番」の構成と魅力

 

ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は第1楽章、第2楽章、第3楽章の3つから構成されています。

 

第1楽章は荘厳な雰囲気のなかで進行していきます。

▼「ピアノ協奏曲第2番」第1楽章

 

重厚感のあるメロディーはロシア正教(ロシアのキリスト教の一つ)の鐘の音をモチーフにしています。

第2楽章では第1楽章とは打って変わって、甘美なメロディーで情感たっぷりに進行していきます。

▼「ピアノ協奏曲第2番」第2楽章

 

第3楽章では自由奔放な性格と叙情的(じょじょうてき:情緒溢れるものを感じること)な性格が入り乱れながら早いテンポで小気味良く進んでいきます。

▼「ピアノ協奏曲第2番」第3楽章

 

 

この曲は伝統的な3楽章構成をとっています。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は極めて技巧的な箇所が多く、演奏家としても一流であったラフマニノフの技巧に匹敵するテクニックが要求され、ピアノ曲の中でも屈指の難曲です。

 

また、ラフマニノフのピアノ協奏曲というのはラフマニノフが20代前半の時に作曲されました。

ラフマニノフがピアノ協奏曲第2番を制作した時はラフマニノフはまだ作曲家として駆け出しの時期でした。

そのため、ピアノ協奏曲第2番というのはラフマニノフにとっては処女作と位置付けることのできる作品なのです。

当時は批評家たちの酷評に晒されることも多くありましたが、その後その魅力が再認識され、今日では名曲として親しまれています。

 

 

さて、このページではラフマニノフのピアノ協奏曲第2番について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。

今までこの曲のことを知っていた人も、そうでなかった人も、今回の内容を踏まえて聴くことで新しい世界が開けてくることでしょう。

是非、多くのクラシック音楽に触れていただければと思います。

 

 

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著者:めーぷる

国立大学医学部で大学生活を楽しみつつ、プログラマーとライターの仕事も手掛けています。幼少期からピアノとヴァイオリンを習っており、クラシック音楽、ジャズ、洋楽と幅広いジャンルの音楽に親しんでいます。趣味は幅広く、音楽の他にもバドミントン、スキー、スポーツ観戦、海外ドラマ、料理、カフェ巡りなど多岐にわたります。お問い合わせはこちらから