初心者でもわかる!アルペンの楽しみ方解説!注目選手も紹介!

 

このページでは「アルペン(パラレル回転・大回転)」について紹介していきます。

アルペン競技で使われる道具は「一般に市販されているスノーボードの道具とは違う」など、かなり毛並みが他のスノーボード種目とは違う競技ですので、馴染みのない方も多いでしょう。

「アルペン」はスノーボードにあまり興味なかった人こそ楽しめるかもしれません。是非一度観戦してみてください。

※このページはスノーボードインストラクターの風祭氏「スノーボード『大会観戦』『動画鑑賞』入門」の内容をWebon編集部がまとめたものです。

 

▼他の大会についても詳しく知りたい方は「スノーボード『大会観戦』『動画鑑賞』入門」をご覧くださいませ。(全10ページ)

 

アルペン競技(パラレル回転・大回転)の楽しみ方

▲アルペン競技の大会(パラレル回転)

▲アルペン競技の様子

種目名 パラレル回転(大回転・スーパー大回転)
同時滑走人数 2人
形式 レース(タイム)

 

アルペン競技とは、パラレル回転やパラレル大回転など、旗門(旗のようなもの:上の画像の赤と青のフラッグ)を通過してタイムを競うレース種目を総称した呼び方です。

 

パラレル回転とパラレル大回転の違い

パラレル回転とパラレル大回転の違いは、設置された旗門の間隔です。「回転」の方が間隔が狭く、より細かいターンを行うテクニカルな(繊細な)種目になります。「大回転」は旗門の間隔が広く、大回りなターンでよりスピードが速いのが特徴です。大回転よりもさらに、旗門の間隔が広い「スーパー大回転」という競技もあります。

また、「パラレル」というのは「二人同時に滑る」という競技のことを意味し、一人で滑る場合はパラレルをつけず「回転」「大回転」と言います。スノーボードでは二人同時に滑るパラレルが一般的です。

ちなみに英語では回転=スラローム、大回転=ジャイアントスラローム、スーパー大回転=スーパージャイアントスラロームと呼びます。

名称 ターン スピード
回転 細かい 比較的遅め
大回転
スーパー大回転 大きい 速い

 

オリンピックでは、パラレル回転が正式種目となっており、2014年のソチオリンピックで竹内智香選手が銀メダルを獲得して話題になりました。

 

▼竹内智香選手

photo by Christian Jansky CC 表示-継承 3.0

 

タイムを競うレース種目はどんな競技でも魅力がありますよね。

日本のウィンタースポーツでは、スピードスケートやスキーが人気ですが、スノーボードのアルペンもそれらに負けないくらい楽しめる競技です。

 

スノーボードのアルペン競技の特徴は、基本的に一対一のトーナメント形式で行われることです。

スノーボードは屋外競技ですので、時間が経つと気温も変わり、雪面状況も変化します。

この一対一のトーナメントルールなら屋外競技のスノーボードでも公平な条件で競うことができ、何より勝敗がわかりやすく応援しやすいという魅力があります。

 

アルペン競技は道具も全く違う!

▲アルペンボードの例

 

アルペン競技では「アルペンボード」などと呼ばれる専門の道具を使います。

一般的に市販されているボードは「フリースタイルボード」と呼ばれていて、ノーズとテールの先端(ボードの前と後ろの先端)が反り上がっており、柔らかいブーツで滑ります。

 

しかしアルペンボードは、ノーズとテールが殆ど反り上がらず(ノーズだけ少し反り上がっている)、板の幅も非常に細く作られています。

 

 

また、ブーツとビンディング(板にブーツを付けるための道具)も異なり、スキー靴のような硬いプラスチックで作られたハードブーツを使用します。

▼ビンディング

▼通常のブーツ

▼アルペン用ブーツ

 

実際にアルペンの道具で滑ってみると、滑った感じもフリースタイルボードとはかなり異なり別競技にも感じられるほど違います。

具体的に言うとブーツが硬いので足首を曲げることができず、かなり窮屈な滑りになります。ある程度スピードを出せば硬い道具は安定感がありますが、低速時はかなり滑りづらくなってしまうのです。

また、フリースタイルボードでは、足をガニ股にしたダックスタンスができますが、アルペンボードでは両足を進行方向に向けたスタンスで行います。

 

 

アルペン用の道具は圧雪バーン(整備されたゲレンデ)でスピードを出すことに非常に特化していますので、アルペン競技と以下で紹介するスノーボードクロスの大会では、このアルペンボードが使用されています。

 

【著者に聞きました!】アルペン競技で印象に残っている大会・シーン

Q. スノーボードインストラクターの風祭氏(このWebonの著者)が、アルペン競技で印象に残っている大会とシーンを教えてください!

A. 2018年平昌オリンピックでのパラレル回転女子のレデツカ選手が金メダルを獲得したことです。レデツカ選手はスキーでもスノーボードでも平昌オリンピックに出場しており、さらにスキーとスノーボードでの二冠(どちらも金メダル)には本当に驚きました。しかもスノーボードでは、圧倒的な実力で危なげなく勝っていたのが印象的でした。※レデツカ選手についてはこのページで解説!

 

▼以上のことを踏まえてもう一度アルペン競技を観てみよう!

 

アルペンの注目選手!

 

以下ではアルペンの注目選手を紹介します。知っておくと、さらにアルペンの大会を楽しめることでしょう。

 

ネヴィン・ガルマニーニ(Nevin Galmarini)

 

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▲ネヴィン・ガルマニーニ選手の滑り

出身国 スイス
生年月日 1986年12月4日
主な受賞歴 2018平昌五輪金メダル(パラレル大回転)
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スイス代表のスノーボードアルペン競技の選手で、平昌オリンピックでも金メダルを獲得しました。

長く最前線で活躍してきた選手で、アルペン競技の世界ではスーパースターです。

 

この選手の注目ポイント! この選手の注目ポイント!

ネヴィン・ガルマニーニ選手は技術の高さが特徴的です。常に安定した成績を残し、見ていて安心感があります。

 

斯波正樹(しば まさき)

 

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▲斯波正樹選手の滑り

出身国 日本
生年月日 1986年4月26日
主な受賞歴 2018平昌五輪日本代表(パラレル大回転)
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平昌オリンピックのアルペンスノーボード日本代表選手です。

日本人男子としては唯一のアルペン出場で、世界大会でも表彰台に上がるなど日本人トップの実力を持っています。

 

この選手の注目ポイント! この選手の注目ポイント!

斯波正樹選手は安定感あるターンが魅力的です。体力で劣る外国人選手にもターンの技術で補います。

 

エステル・レデツカ(Ester Ledecká)

 

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▲0:40辺りからエステル・レデツカ選手のパラレル大回転(相手は後述する日本の竹内智香選手)

出身国 チェコ
生年月日 1995年3月23日
主な受賞歴 2018平昌五輪金メダル(パラレル大回転(スノーボード)・パラレルスーパー大回転(スキー))
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平昌オリンピックで前人未到の快挙となるスキーとスノーボードで金メダルを獲得したチェコ代表の選手です。

スキーの実力ももちろんすごいですが、本命はスノーボードでその実力は圧倒的です。

スノーボードパラレル回転では、オリンピックでも他を寄せ付けない圧倒的なスピードと安定感で完全勝利しました。

若干23歳でまだまだ伸びしろもあるので、これからどこまですごい選手になるのか目が離せません。

 

この選手の注目ポイント! この選手の注目ポイント!

エステル・レデツカはどんなに速いスピードでも全くブレることない安定感ある滑りをします。全く危なげない滑りで彼女が負ける場面が想像できません。

 

竹内智香(たけうち ともか)

 

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▲竹内智香選手のパラレル大回転

出身国 日本
生年月日 1983年12月21日
主な受賞歴 2014ソチ五輪銀メダル(パラレル大回転)
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2014年ソチオリンピックの銀メダリストで、平昌オリンピックでも大活躍した選手です。

美人アスリートとしても有名で、非常に人気があります。

日本人がアルペン競技でメダルを獲得するのはかなりの快挙で、歴史を作ってくれました。

 

この選手の注目ポイント! この選手の注目ポイント!

竹内智香選手のターン技術は世界トップクラスと言われています。また、スノーボード開発も行っており、スノーボードのことを知り尽くした知識も彼女の滑りを支えているのでしょう。

 

以上、アルペンについて掘り下げて解説をしました!これだけの知識があれば、より大会を楽しむことができるはずです!

 

▼他の大会も詳しく知りたい方は「スノーボード『大会観戦』『動画鑑賞』入門」をご覧くださいませ。(全10ページ)

 

「スノーボード『大会鑑賞』『動画鑑賞』入門」目次著者

著者:風祭健

北海道出身、北海道在住のアラサーのスノーボーダーです。小学生の頃に地元のスキー場で、格好良く滑るスノーボーダーに憧れてスノーボードを始め、かれこれスノーボーダー歴は約20年になります。学校を卒業してから一度は会社員になるも、週末だけのサンデーボーダーでは満足できなくなり転職。JSBAスノーボードC級インストラクターの資格を取得。それ以後、冬に仕事のない農家や土木関係の仕事をし、冬はインストラクターとして山に籠もる生活を送っています。夏場はスケートボードとサーフィンも始めてしまい、趣味も人生も横滑りばかりです。お問い合わせはこちらから