初代ゴジラの裏話・撮影秘話

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特撮は子供の頃に誰もが一度は目にしたことがあると思います。ですが大人になってからも充分楽しめる映画なのです。裏話や撮影秘話を知る事でより作品を楽しむことができるのです!

「特撮をもっと楽しむための裏話図鑑 ~ゴジラ~編」はこちらから!

著者:山田チャーハン

幼少期から様々な特撮作品を見て育つ。怪獣特撮・ウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊と鑑賞する作品の幅が広い。作品を見るだけでなく、考察や解説サイトにも興味があり、知識を増やして作品の楽しみ方を増やすのがモットー。友人と特撮談義や特撮縛りのカラオケをすることも。特撮作品の出演を夢見て、特撮に関する仕事を所望している。

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Twitter(山田)@yamada_chahan

 

 

 

初代ゴジラ

 

日本の怪獣特撮の金字塔であるゴジラシリーズ。

「ゴジラ」と一口に言ってもその主役であるゴジラには様々な個体が存在します。つまりそれぞれの映画「ゴジラ」でもゴジラの特徴や設定は違う、という事です。

 

このページでは1954年に公開された第1作目『ゴジラ』に登場するゴジラ、通称「初代ゴジラ」についてです。

戦後、試行錯誤を繰り返しながら作られたゴジラの撮影秘話や裏話を知って、見返してみるとより面白さが増すのではないでしょうか。

 

基本情報

作品名 ゴジラ
発表年 1954年
上映時間 97分
監督 本多猪四郎
出演 宝田明
備考 ゴジラ1作目

~あらすじ~

水爆実験の影響により怪獣「ゴジラ」が復活してしまう。そしてゴジラは東京に上陸し東京で暴れる。怪獣ゴジラを倒そうと人間が奮闘するが・・・

 

企画の始まりと名前の由来

 

そもそもゴジラはどのような経緯で制作されたかご存知ですか?

ゴジラを製作した映画会社「東宝」はインドネシアとの合作映画を企画していました。

しかし、外交の問題から企画を断念することになります。

そして企画の代替案を考えていた頃にビキニ環礁での核実験による第五福竜丸事件が起きます。

 

第五福竜丸事件
1954年に起きた水素爆弾実験による事故。

現在はマーシャル諸島共和国のビキニ環礁という場所でアメリカ軍の水素爆弾実験によって発生した放射性降下物を日本のマグロ漁船「第五福竜丸」が浴びた事故。アメリカの発表する危険区域外に第五福竜丸はいたにも関わらず死者を出すなど第五福竜丸船員全員が被ばくした他、第五福竜丸以外の危険区域外の船にも死の灰は降り注ぎ多くの被ばく者を出した。

この事件をきっかけに日本では反核運動がさかんに行われた。

▼第五福竜丸

 

この事件をヒントに反戦や核への怒りをテーマに、

「ビキニ環礁での水爆実験によりそこに眠っていた怪獣が目を覚まし、日本に襲来する」

という企画がスタートします。

 

 

ゴジラの名前の由来には東宝の演劇部が関係しています。

東宝の演劇部にいた人物の中に、クジラが好物で、ゴリラのような風貌をしている人がいました。その人物のあだ名である「グジラ」を参考に「ゴジラ」となりました。

 

 

初代ゴジラのスーツ

 

ゴジラのデザインですが、漫画家の阿部和輔さんが初期案を担当しました。

反戦や核がテーマだったため、当初はキノコ雲をモチーフにしたデザインでした。

▼キノコ雲

しかし、キノコ雲のイメージが強すぎるために評判はいまいち。そこから爬虫類などの要素を付け足し、初代ゴジラのデザインが出来上がりました。

 

特撮といえば着ぐるみの中にスーツアクターと呼ばれる人が入って動くのが定番です。

初代ゴジラの着ぐるみは石膏(せっこう)に生ゴムを流し込んで作られました。着ぐるみの中には綿が詰められ、総重量は約150キロと重く、のぞき穴も小さかったため、スーツアクターはかなり苦労したようです。

初代ゴジラのスーツアクターを務めたのは俳優の中島春雄さんです。

着ぐるみの中に入るともちろん顔は見えません。当初は俳優なのに顔が出ないというスーツアクターならではの悩みがあったようです。

 

▼中島春夫さん

 

ゴジラのテーマと鳴き声

 

印象的なゴジラのテーマですが、作曲家の伊福部昭さんが担当しています。

 

▼伊福部昭

 

また、テーマ曲の演奏には、黒柳徹子さんの父親がヴァイオリニストとして参加しています。

 

▼黒柳徹子

photo by 文部科学省ホームページ CC 表示 4.0

 

もう1つ印象的なのがゴジラの鳴き声です。

ゴジラの鳴き声もテーマ曲を作成した伊福部昭さんが担当しています。

あの鳴き声はどのように制作されたのか、現在でも明確にはされていません

 

ですがそれではあまりにも不完全燃焼なので鳴き声に関して1番有力だとされている説を紹介します。

コントラバスの弦を松ヤニ(松からとれる天然樹脂)の付いた革手袋で擦り、それを録音したものを手動で逆回転させたと言われています。

 

▼コントラバス

 

ゴジラの破壊活動

 

劇中でゴジラが2度目の襲撃をしたルート(1度目はすぐに海に戻っています)は、

芝浦岸壁→札の辻→田町駅前→新橋→銀座尾張町→銀座4丁目→数寄屋橋→国会議事堂→平河町→上野→浅草→隅田川→勝鬨橋→東京湾

です。

これは第二次世界大戦で東京大空襲の際にアメリカのB29が爆撃を行ったルートと同じものです。

反戦や核をテーマに制作されたため、このルートを意図したそうです。

 

B29
アメリカの世界最大の航空機器開発メーカー「ボーイング」社が開発した大型の戦闘用爆撃機。東京大空襲の他に広島・長崎の原爆投下、朝鮮戦争など多くの戦争で使用された。

▼B29

 

また、ゴジラといえば建物を破壊しながら街を蹂躙するシーンが必ずありますよね。

劇中で銀座和光ビル時計台を破壊するシーンがあります。このシーンに和光側が大激怒してしまい、約2年間、東宝に対してロケを許可しませんでした。

▼銀座和光ビル時計台

Photo by 663highland CC 表示-継承 4.0

また、ゴジラの熱線で炎上する松坂屋も縁起が悪いとして大激怒しました。

▼松坂屋(銀座)

 

しかしその一方で、映画を見た観客が本当に壊されたのかロケ地を確認しに来ることがあり、破壊が宣伝になることが判明。

そこから徐々に建物の破壊は宣伝として定着していきました。

 

初代ゴジラは身長50メートル、体重2万トンと他の作品に登場するゴジラに比べ小柄です。

当時は現在のように高いビルなどの建物がなかったため、小柄に設定されています。

大きな建物が増えるとゴジラも巨大化していくのかもしれませんね。

 

 

今回は『ゴジラ』に登場する「初代ゴジラ」について紹介しました。

映画本編だけでなく、制作に至るまでの知識があるとより楽しめますよね。このページを参考に鑑賞してみてはいかがでしょうか。

 

ゴジラ(1954)を観る方法

 

ここでは独自に調査した「ゴジラ(1954)」を観る方法をご紹介いたします。是非参考にしていただき特撮映画を楽しんでください!

 

公開 タイトル 視聴可能動画サービス
’54 ゴジラ AP(別料)・TT(別料)・TD楽天(別途)

表に記載無しの場合は取り扱い無し

別料=視聴には会員料金以外に別途料金が必要

 

 

 

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著者:山田チャーハン

幼少期から様々な特撮作品を見て育つ。怪獣特撮・ウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊と鑑賞する作品の幅が広い。作品を見るだけでなく、考察や解説サイトにも興味があり、知識を増やして作品の楽しみ方を増やすのがモットー。友人と特撮談義や特撮縛りのカラオケをすることも。特撮作品の出演を夢見て、特撮に関する仕事を所望している。

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