ショパン「バラード1番」 初心者にもわかりやすく解説

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「クラシック音楽」と聞くとなんだか難しそうで敷居も高い。でもクラシック音楽を作っている作曲家だって人間です。面白いエピソードもたくさんあるんです。有名曲と作曲家を知りクラシック音楽を楽しみましょう!

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著者:めーぷる

国立大学医学部で大学生活を楽しみつつ、プログラマーとライターの仕事も手掛けています。幼少期からピアノとヴァイオリンを習っており、クラシック音楽、ジャズ、洋楽と幅広いジャンルの音楽に親しんでいます。趣味は幅広く、音楽の他にもバドミントン、スキー、スポーツ観戦、海外ドラマ、料理、カフェ巡りなど多岐にわたります。お問い合わせはこちらから

 

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<まずは聴いてみよう!>

クラシックの名曲を通じてクラシック音楽の魅力を学んでいきましょう!今回はショパンの「バラード1番」です。最初に音楽を聴いてから、記事を読むことでクラシックへの理解が増すことでしょう。

平昌オリンピックで、フィギュアスケートの羽生結弦選手が使用していたので、聴いたことがある人も多いのではないでしょうか。

▼羽生結弦選手

photo by David W. Carmichael CC 表示 3.0

 

 

さて、ピアノの名曲紹介もこのページでいよいよ最後です。

ラストを飾るのにふさわしい曲として、今回はショパンの「バラード1番」という曲を紹介します。

今や、日本人なら多くの方が知っているであろう曲ということが出来るでしょう。

なぜなら、この曲は平昌オリンピックで羽生結弦選手が見事に2連覇を成し遂げた時のショートプログラムの曲であるからです。

オリンピックでの羽生選手の流れるような演技というのはいまだに多くの人の記憶に残っていることでしょう。

 

今回はその余韻に浸りつつ、ショパンの「バラード1番」について掘り下げてみていきましょう。

 

ショパン

▲フレデリック・フランソワ・ショパン

 

ショパンは挙げればきりが無いほどの名曲を生み出したロマン派(※後述)の作曲家です。

彼の曲というのは現在でもテレビでBGMとして流れることがよくあるので、無意識のうちに耳にしているかもしれません。

ショパンはポーランドの作曲家です。

 

 

ショパンは8歳の時に既にコンサートを開くなど、演奏家としての才能も豊かでした。実際にピアノの名手として各地でコンサートを開いていたと言われています。

 

編集部コラム

前のページに出てきたフランツ・リストは10歳でコンサートを開き「スゴイなぁ」と思っていましたがショパンはなんと8歳でコンサートを開いていました!スポーツ選手は若い時に目立つ事が多いですが音楽家というのはさらに若い時から活躍するのですね!

 

しかし、彼のピアニストとしてのキャリアは生まれつき病弱な体の影響もあり、次第に陰りを見せることになります。

 

その一方で、彼がより豊かな才能を発揮したのは作曲面においてでした。

ショパンは自然と触れ合うことを好みました。

 

 

そのため、小さい頃から豊かな感性が育まれたのです。豊かな感性を活かして、響きの美しさというものを追求した作曲家こそがショパンなのです。

 

 

ロマン派音楽とは
ロマン派音楽は「ロマン主義」という感性の解放の欲求などに重きを置いた思想によって発展していった音楽のこと。

ショパンとリスト

▲フランツ・リスト

 

前のページではフランツ・リストについてご紹介しましたが、実は彼はショパンと同時代に活躍した作曲家です。

「ピアノの魔術師」と称されるリストに対して、ショパンは「ピアノの詩人」と言われるほど二人の対比というのは有名です。

 

 

実際に彼らは親交があったようです。

ショパンが書いた曲をリストがショパンの目の前で初見で弾いた際、リストは一つのミスもせず完璧に弾ききったという伝説も残っています。

その一方で、技巧的な曲を好むリストと情緒的な曲を好むショパンというのは正反対の存在でもありました。

そのため、お互いに自身の評論の中で相手のことを批判していたこともあります。

 

 

しかし、晩年になるとリストは『ショパン論』という自著の中でショパンの作品を絶賛しています。

ライバルでありましたが、やはりお互いに実力を認め合っていた中であるというのが伺えます。

 

 

バラード1番

バラードとは

 

「バラード」は私たちに馴染みのある歌などでも耳にする言葉です。

「バラード」という言葉の由来は中世の詩の形式の一つ「バラッド」にあります。

これを初めて器楽曲の名前として取り入れたのはショパンです。

※器楽曲=器楽の為のの曲。対義語の声楽曲。一般的な言葉で言えば「インストゥルメンタル」

ショパンは曲の題名に「バラード」という言葉を用いることで、古い歴史物語に基づいている曲であることを示唆しようとしたのだと考えられています。

 

「バラード1番」の物語

 

ショパンの「バラード」という曲集は4曲から構成されています。これら4曲は、それぞれ文学的な(物語のある)側面を持っています。

この物語性こそがショパンの「バラード」の最大の魅力であると言ってよいでしょう。

今回ご紹介している「バラード第1番」の物語は次の通りです。

 

 

『昔、リトアニアの深い森の湖にまつわる神秘的な謎を解こうと決心した勇敢な騎士がいて、湖に大きな網を投げて引き揚げてみると、なかに美しい姫君が入っていた。姫の話によれば、その昔この湖畔も立派な町であった。

あるときロシアとの戦争が起き、女たちは捕らわれの身になるよりは死を、と神に祈った。たちまち大地震が起きて城も町もみんな湖中に没した。女たちは水蓮に化身して、手をふれる者たちを呪った。

その水の国の姫君は、同族の出である騎士に危害を加えようとはせず、これ以上湖の神秘をあばくでないと言って、水のなかにすがたを消した』

(全音社「バラードとアンプロンプチュ」の楽曲解説より引用)

 

▼物語のイメージ

 

このような物語を思い浮かべながら聴くことで、より一層ショパンのバラード1番のドラスティックな展開を楽しむことができるでしょう。

 

▼バラード1番

 

さて、今回はショパンの「バラード1番」について見てきましたがいかがでしたでしょうか。

単なる音楽として聴くだけでなく、その物語にも注目すると非常に興味深い曲です。

ぜひ、リトアニアの騎士になった気分でドラマティックな曲調の変化を楽しんでください。

 

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著者:めーぷる

国立大学医学部で大学生活を楽しみつつ、プログラマーとライターの仕事も手掛けています。幼少期からピアノとヴァイオリンを習っており、クラシック音楽、ジャズ、洋楽と幅広いジャンルの音楽に親しんでいます。趣味は幅広く、音楽の他にもバドミントン、スキー、スポーツ観戦、海外ドラマ、料理、カフェ巡りなど多岐にわたります。お問い合わせはこちらから