【まんじゅうこわい】あらすじや見所など落語ファン歴10年による解説!

 

落語の演目(お話)は上演回数の少ない珍しい古典落語を含めると、およそ500種類ほどと考えられています。

その中でも代表的な演目のひとつとして挙げられるのが「まんじゅうこわい」です。噺の中に出てくる「ここらで一杯お茶が怖い」は有名なフレーズです。

このページでは落語の「まんじゅうこわい」のあらすじやみどころ、どの落語家のまんじゅうこわいがおすすめかなどを解説いたします。

 

※このページは10年前に落語にはまって以来ほぼ毎日落語を聴いているミドケン氏による『落語初心者入門』の内容をWebon編集部がまとめたものです。また、このページの情報の一部はなかむら治彦氏の『読んで楽しい落語の演目と知識』を参考にしております。

▼『落語初心者入門』(全23ページ)

 

 

まんじゅうこわいとは

 

「まんじゅうこわい」は落語の演目の1つ。

広く世間に知られる人気の演目です。若手の練習噺としても用いられるますが、持ちネタにする名人落語家も多いです。「饅頭こわい」「饅頭怖い」と表記されることもあります。

 

あらすじ

 

町内の若い男たちが集まって嫌いなものや怖いものについて話をしている。

ずっと黙っている辰さんに、どんなものが怖いかと聞いたら

「こわいものなんかない」

と答える。

 

腹が立った男たちが本当にないのかとしつこく聞くと、辰さんは「まんじゅうが怖い」と打ち明ける。

それを聞いた男たちは「ちょいといたずらをしてやろう」と計略を練る。

辰さんを脅かしてやろうと菓子屋から大量に饅頭(まんじゅう)を買ってきて、まんじゅう攻めにするが・・・。

 

 

–ネタバレ–

 

饅頭と聞いただけで震えだす辰さんは、布団をかぶって寝てしまう。

男たちは辰さんを怖がらせようと「気付け薬だよ」と言って枕もとに大量の饅頭を置く。

男たちが辰さんを見てみると「まんじゅうが怖い」と言いながら辰さんは饅頭を食べている。

してやられた男たちは辰さんに問う「オイ!食うのをやめろ!本当は何が怖いんだ!?」

「ここらで渋いお茶が一番怖い」と辰さんは答える。

 

–ネタバレ終わり–

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みどころ

 

自分を酷い目に遭わそうとしていることを知ってか知らずかわかりませんが、まんまと連中を騙してしまう辰さんの頭の良さに思わず感心してしまいます。

小学校に呼ばれた落語家さんが子供たちの前で演じることも多い、万人を楽しませる秀逸な落語です。

 

「タイガー&ドラゴン」でTOKIO長瀬が演じている

 

「タイガー&ドラゴン」は宮藤官九郎さんが脚本を手掛け、2005年にTBSで放送されて、それまで落語と縁のなかった視聴者と従来の落語ファンの両方で話題になった作品です。

「タイガー&ドラゴン」の主人公のTOKIO長瀬智也さんはヤクザ兼落語家という役。長瀬さんはドラマの中で「まんじゅうこわい」を演じています。

長瀬さんはヤクザという役柄もありますが、落語の迫力が圧倒的です。長瀬さんならではの「眼ヂカラ」で、登場人物それぞれにパワーが宿り、長瀬さんの独特の男らしさが反映されているところが非常に興味深くて面白いポイントです。

 

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▼落語が題材の作品については以下のページで解説!

 

おすすめ落語家

 

「まんじゅうこわい」を聴くなら桂文珍さんがおすすめです。

桂文珍さんは、1980年代以降「ニューウェーブ落語」と称したパフォーマンスがヒットしテレビ17本のレギュラーを持つようになりました。

独演会のチケットは入手困難と言われています。そんな文珍さんの「まんじゅうこわい」を是非お聴きくださいませ。

 

▼桂文珍(15)「宿替え」/「饅頭こわい」-「朝日名人会」ライヴシリーズ28 Live

 

「まんじゅうこわい」を聴く方法

 

「まんじゅうこわい」を聴くには、以上でおすすめしたCDを購入して聴く方法もありますが、音声の配信サービスを利用するという方法もあります。

audibleという朗読配信サービスで「まんじゅうこわい」を聴くことができます。

audibleはベストセラー小説からビジネス書、英字新聞まで、20以上の豊富なジャンルを音声で聴ける定額制サービスで、落語作品も数多く収録しています。名だたるレジェンドたちの演目が手軽に聴けます。

 

▼audible公式サイト(プロナレーターの朗読配信サービス。無料お試し有)

 

以上「まんじゅうこわい」の紹介でした。その他落語の定番演目についてさらに詳しく知りたい方は下記のページをご覧くださいませ。

 

また『読んで楽しい落語の演目と知識』では落語の演目の中から、あなたの好みにピッタリと合った落語演目をご紹介いたします。

 

▼『読んで楽しい落語の演目と知識』(全10ページ)

 

さらに「落語のマクラって何?」「どこで落語は観れるの?」など基礎から落語を学びたい方は『落語初心者入門』をぜひご覧くださいませ。

 

▼『落語初心者入門』(全23ページ)