2.5次元舞台の裏方観劇の楽しみ方② 【音響ブース】

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2.5次元舞台は映像・照明・音響などの「裏側」に注目するのがおすすめ!刀の効果音は刀の長さや種類によって音が変えられていたり、裏側に秘められた技術や工夫に目を向けると2.5次元舞台の楽しみ方の幅が広がります!観劇後は必ず「観劇ノート」を書いている観劇マニアが解説します!

『2.5次元舞台の「裏側」の楽しみ方 ~照明・映像・音響・裏方観劇を知る~』(全8ページ)はこちらから!

著者:零音(れおん)

小学生の時に劇団四季を見てから舞台の虜になっていく。現在はブロードウェイミュージカル・2.5次元ミュージカル・ストレートの舞台を観劇。観劇後は必ずキャスト・スタッフの方々に感想のお手紙を書くため、目を引いた所などは観劇ノートに書いている。裏方に注目し独学で勉強している。

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チケットが手に入った時、一番気になるのは座席の位置ですよね。

後ろの席だと「オペラグラスが無いと見えない」「細かい演出が見えない」などのデメリットがあります。

ただ、後部座席では「音響ブース」を見て楽しむことができるのです。

 

後部座席の楽しみ方「音響ブース」

 

私が後列の座席の時に一番楽しみにしているのは、座席後方に設置されている「音響ブース」です。

舞台が見渡せる場所に音響ブースがある理由は、音響効果のスタッフさんが舞台に合わせてその場で効果音をつけているからです。

あまりしげしげと眺めるのは憚られるのですが、ブースをよく見るとパソコンや様々な機材が並んでいます。

 

その中にキーボードのような機材があるのですが、これを使って効果音を操作しています。

各キーに音が設定されており、タイミングを見てキーを押します。

ここで難しいのは、動きが早くなった場面での音入れです。

特に集団での殺陣の場面は刀がぶつかる音や抜刀の音、小道具があれば小道具の音も同時に入れなければならないので、キー操作が複雑になります。

しかも、いちいちキーボードを見ながら操作したのでは間に合わないので、ブラインドタッチをする必要があります。

さらに、舞台上でアクシデントがあったり、アドリブが入ったとしても音がなければ不自然になる為、対応力も必要となります。

とても繊細なお仕事です。

こんな凄いお仕事をする方々が、座席の後ろから作品を支えているのです。観劇中に効果音が聞こえたら是非、座席の後ろの方を思い出してください。

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また一つ楽しみが増えること間違いなしです。

 

「音響ブース」に注目するなら舞台「刀剣乱舞」がおすすめ

 

もし、皆さんが舞台「刀剣乱舞」を観劇に行くとしたら、音響ブースのキーボードを見てみてください。

有名な音響さんのヨシモトシンヤさんが担当だとしたら、キーボードに可愛いプクプクシールが貼ってあります。

 

 

これはブラインドタッチでも、どこに何の音のキーかが指先でわかるように貼ってあるそうで、指先の感覚で覚えてゆくそうです。

ご本人曰く「プクプクしたシールは可愛いものの方が多くて、自然と可愛いキーボードになるけど別に可愛いもの好きでは無い」そうです。

とても可愛いキーボードになっているので、お時間あればのぞいて見てください。

ヨシモトシンヤさんは、他にも数多くの作品に関わっており、うたのプリンスさまプロジェクトや舞台「GOZEN」などの担当をされています。

音響ブースのキーボードに特徴がある方なので、この方のブースを覗くのはおすすめです。

ちなみに、ヨシモトシンヤさんはSNSでは、劇場で機材設置をされている時や解体作業の時も画像付きでツイート更新されますので、とても参考になります。公演中にお手紙やプレゼントを受け取る頻度も高く、舞台ファンの間ではよく知られた人です。

 

【コラム】撮影スタッフさんにも注目

これまで紹介してきた方々以外で注目していただきたいのは、撮影スタッフさんです。ライブビューイングやDVD収録の時、ゲネプロの時にカメラやビデオで撮影されている方々です。注目すべき点は、時に地方公演から舞台写真がグッズとして販売される時があるのですが、商品として出される写真がとてもクオリティが高く、しっかりとキャラクターにフォーカスした写し方になっているため、毎回感動します。DVD撮影やライブビューイングでも、一番見せたいところやファンが見たいところをしっかり写していただけるので、時に素晴らしいコマ割り(場面の写し方)だと思うこともあります。ファン心理をとてもよく知っている方々だと思います。

 

ここまで座席後方から舞台を支えているスタッフについて、ご紹介しましたがいかがだったでしょうか。

これまであまり注目しなかった部分だとは思うのですが、注目するとても面白い部分だと思います。

 

舞台には沢山の「縁の下の力持ち」がいらっしゃいます。

2.5次元舞台の裏側に注目して観劇すると、これまでとは違った2.5次元舞台の楽しみ方ができるかと思います。

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