【火焔太鼓】のあらすじは?おすすめ落語家をファン歴10年が紹介!

 

このページでは落語の演目である「火焔太鼓」について紹介します。

あらすじだけではなく「火焔太鼓」を十八番とする落語家や、火焔太鼓が演じられた映像作品まで紹介いたします。

※このページは10年前に落語にはまって以来ほぼ毎日落語を聴いているミドケン氏による『落語初心者入門』の内容をWebon編集部がまとめたものです。

▼『落語初心者入門』(全23ページ)

 

火焔太鼓(かえんだいこ)とは

 

五代目 古今亭志ん生(ここんてい しんしょう)が膨らませて新たに作ったとも言われる古典落語の演目です。

 

あらすじ

 

商売下手の道具屋甚兵衛がある日古い太鼓を仕入れてくる。

しっかり者の妻から「どうせ売れない」と嫌味を言われるが、一人の侍が買いたいと申し出てくる。

侍は赤井御門守という大名に仕えており、赤井がその太鼓を気に入ったと言っていたから、その太鼓を屋敷に持って来いと伝える。

 

喜ぶ甚兵衛に対して妻は、こんな汚い太鼓持っていった松の木に縛られてしまうのではないかと言う。

妻の言葉に心配を募らせながらも、甚兵衛はお屋敷に太鼓を持参する。

結果的に殿様はその太鼓をえらく気に入る。

汚い太鼓は「火焔太鼓」といい国宝級の品であったらしく、300両の値がつく。

甚兵衛は興奮しながら家に帰り300両で売れたと女房に報告する。

最初は信じない妻だったが、彼女の前に小判を積み上げると、本当に300両で売れたと知り甚兵衛を褒める。

興奮した2人は次に仕入れるものを相談し、やはり音が出るものがいいとなる。

「半鐘を買ってくる」という甚兵衛に対して女房は言う。

「半鐘はいけないよ、おジャンになるから」

※おジャンは「フイにする」の意味。半鐘を鳴らした時の「ジャン」という音にかかっている。

(著:Webon編集部)

火焔太鼓を十八番とする落語家


▲古今亭志ん生さん

 

火焔太鼓を得意とする落語家は古今亭志ん生さんです。

戦後の東京落語界を代表する落語家の1人に数えられる。プロ野球選手の王貞治や長嶋茂雄と並ぶほどの人気があったと言われている。

芸風は「天衣無縫(てんいむほう:技巧のあとがなく自然で美しいこと。天真爛漫の意)」と称される。

 

五代目 古今亭志ん生は「落語初心者入門」で詳しく紹介! 五代目 古今亭志ん生は「落語初心者入門」で詳しく紹介!

 

戦後東京落語界の中では持ちネタの多さでも知られる志ん生さん。

「抜け雀」「二階ぞめき」「居残り佐平次」など十八番を挙げればキリがありませんが、中でも「火焔太鼓」は「志ん生の火焔太鼓か、火焔太鼓の志ん生か」といわれるほど、志ん生さんならではの絶品の一席です。

「火焔太鼓」では、女房に怒られたり呆れられたりする甚兵衛さんですが、女房に対するすっとぼけた返しが絶妙に面白いです。

打っても響かず、飄々としてつかみどころのない人物を演(や)らせたら志ん生さんの右に出るものはいません。その人物像を特に楽しめるのが「火焔太鼓」です。

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「火焔太鼓」が演じられる映像作品・映画

しゃべれどもしゃべれども

タイトル しゃべれども しゃべれども
公開年月 2007年5月26日
上映時間 109分
監督/脚本 平山秀幸/奥寺佐渡子
出演 国分太一/香里奈/松重豊/森永悠希/八千草薫/伊東四朗/など

「しゃべれどもしゃべれども」は佐藤多佳子さんの同名小説が原作。

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TOKIOの国分太一さん主演で映画化され、2007年に公開されて話題になりました。この作品では国分太一さんが「火焔太鼓」を演じています。

 

あらすじ

 

主人公は東京の下町に住み古典落語を愛する、二つ目の落語家・今昔亭三つ葉(国分太一)。

落語家として伸び悩んでいた彼のもとに「落語を習いたい」「話し方を教えてもらいたい」という3人がやって来る。

口下手で無愛想な・十河五月(香里奈)、勝気ゆえにクラスになじめず大阪から引っ越してきた少年・村林優(森永悠希)、コワモテの元プロ野球選手・湯河原太一(松重豊)。

▼湯河原太一役の松重豊

クセのある生徒ばかりで顔を合わせると3人は言い争いが絶えず、肝心の落語も一向に覚えられない。

落語指南がうまくいかないうえに、片思いしていた女性が結婚することを知ってショックを受ける主人公三つ葉。

そこで「自分は落語が好きだ」と再認識した三つ葉は、師匠の十八番である古典落語の演目「火焔太鼓(かえんだいこ)」への挑戦を決意する。

徐々に落語を話せるようになっていく生徒たちと、「火焔太鼓」の成功(=上手く喋りきるのはもちろんですが、師匠の真似事ではなく、自分ならではの「火焔太鼓」を演じるということ)を目指す三つ葉。果たしてそれぞれの思いは伝わるのか・・・。

 

落語好きから見た国分太一さんの「火焔太鼓」はどうなのか?

 

国分さんの落語の上手さには正直驚きました。

笑わせてやろうという気負いがなく、その張りのある声と端正な語り口が光る「火焔太鼓」は思わず聴き入ってしまいます。

前半の下手に演じる落語と、クライマックスの「火焔太鼓」のレベルの落差に注目です。最後の「火焔太鼓」は圧巻の一言です。

 

 

「火焔太鼓」を聴く方法

 

「火焔太鼓」を聴くには、以下のおすすめCDを購入して聴く方法もありますが、音声の配信サービスを利用するという方法もあります。

以下では「火焔太鼓」が聴けるサービスを紹介いたします。

▼筆者オススメ!『古今亭志ん生 名演大全集 1[CD]』

audible

 

audibleでは「火焔太鼓」を聴くことができます。

audibleはベストセラー小説からビジネス書、英字新聞まで、20以上の豊富なジャンルを音声で聴ける定額制サービスで、落語作品も数多く収録しています。人間国宝・五代目柳家小さん(やなぎや こさん)さんも収録。名だたるレジェンドたちの演目が手軽に聴けます。

▼audible公式サイト(プロナレーターの朗読配信サービス。無料お試し有)

 

Spotify

 

Spotifyでも「火焔太鼓」を聴くことができます。

Spotifyは音楽ストリーミング配信サービスですが、落語のコンテンツも充実しているのでおすすめです。

立川志らく(たてかわ しらく)、春風亭一之輔(しゅんぷうてい いちのすけ)、三遊亭白鳥(さんゆうてい はくちょう)、など、今をときめく落語家のラインナップが豊富なのが特徴です。

 

Spotifi公式サイト (音楽ストリーミングサービス。無料。(有料版有))

 

以上「火焔太鼓」の紹介でした。

他の演目にも興味がございましたら『読んで楽しい落語の演目と知識』がおすすめです。『読んで楽しい落語の演目と知識』ではあらゆる落語の演目の中から、あなたの好みにピッタリと合った落語演目をご紹介いたします。

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さらに「落語のマクラって何?」「どこで落語は観れるの?」など基礎から落語を学びたい方は『落語初心者入門』をぜひご覧くださいませ。

▼『落語初心者入門』(全23ページ)